特集

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2020年2月号 No.515

建設業の魅力を伝えるために今すべきこと

子どもにとっては、体験が全て当日の感動をより深くするために

子どもたちの体験をいつまでも意義深く印象づけるために、体験後に必ずお土産を用意しています。それは、小中学生には、実在の職長をモデルにした作友会オリジナルマンガ「モノづくりにかける思い」。高校生には、“「あなたにしか任せられない」人の技術が輝く仕事”というタイトルのついたリクルートブックです。

「建設業に就職したい人にとって役立つ情報や、作友会の会員企業情報をまとめました。最新版では女性職人をクローズアップしたり、キャリアプランのページで『経験がなくても大丈夫だよ』『建設業って実は定年もないんだよ』『健康で腕が良ければいくつまでも稼げるよ』といったこともアピールしています」

また、当日撮影した写真や動画を編集して、後日、学校に送っているそうです。この写真を使って体験授業や見学会の様子を学校のホームページで紹介されることもあり、それを見た別の学校の先生からの問い合わせも増えているそうです。

生徒たちの反応も上々です。体験後には、「私の父も建設業です。父のことが尊敬できるようになりました」「将来の夢は、親方になって指導する立場になることです」など、さまざまな感想が寄せられています。また、「中学時代に職場体験をした生徒が、高校生になってから『もう一度話が聞きたい』と連絡してきた嬉しいケースもあります」

あくまでも「体験」にこだわり、「子どもは“実際に見たもの・体験したもの”にしか興味を沸かないものです。小さい頃から建設現場に触れ、体験してもらう機会をもっと創出していくことが、高卒入職者増加に結びつくと感じています」と断言します。

今後は、学校内の設備を直す体験も推し進めていきたいとのこと。

「生徒たちにとっても、いい思い出になるはずです。例えば卒業して2年後、成人式で母校を訪れたときに、自分たちが手掛けたものが残っていると嬉しいものです。ある学校では、並べ替えたブロックの裏手にタイムカプセルが埋まっているそうです。今後は作友会も、こういう仕掛けづくりをしていきたいと思っています」

体験後にお土産として用意する冊子

取組POINT
  • 自社の研修施設も活用し、協力会社とともに採用活動を展開
  • 高校への出前授業に加えて、中学校のカリキュラム「職場体験」に組み込んだり、小学生向けの見学会を行うなど、工業高校に限定せずに体験学習を企画
  • 体験授業の印象を深めるために、対象の年齢に合わせてアプローチ方法を調整
  • 感動の体験を印象的に振り返ることができる仕掛けづくり 

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