特集

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2020年2月号 No.515

建設業の魅力を伝えるために今すべきこと

建設業界が抱える大きな課題の一つとして、高齢化や人材不足が問題視されています。これらの問題を解決するには高卒入職者の拡大が必要不可欠ですが、そのために私たちは何をすればよいのでしょうか。そこで今回は、近年のデータから建設業の担い手の現状や若手入職者の動向を読み解き、課題となっている状況をまずは俯瞰。そのうえで、高卒入職者拡大のための先進的な取り組みをしている二つの企業の事例を紹介します。

 データで見る1 人材不足の現状と今後の見通し 

現状 リーマンショックを機に就業者数が大きく減少

建設業就業者数はバブル期以降も増加を続け、ピークとなった1997年には685万人にも達しました。しかし、以降は下降傾向となり、直近のデータとなる2018年には503万人まで減少。また、建設技能者数についても、1997年の455万人をピークに、2018年には328万人にまで落ち込む結果となっています。特に、2003~2005年に大きく人数が減っていますが、この時期は世界的な経済危機となったリーマンショックの直前と重なります。建設業もその打撃を受けましたが、その後、減少傾向が徐々に回復し、2010年以降は建設就業者数・建設技能者数ともに横ばい状態が続いています。

 

今後の見通し 4人に1人が高齢層10年後には大量離職も

2017年現在の建設技能者数を年齢別に見ると、60~64歳が約32万人、65歳以上が約51万人。これらを合計すると60歳以上は約83万人にも及び、全体の25.2%に相当します。一方、若手技能者数は15~19歳が約3万人、20~24歳が約14万人、25〜29歳が約20万人。29歳以下の合計は約37万人となり、60歳以上に比べて約46万人も少ないことが分かります。このように高齢化が進行し、10年後には全技能者の4分の1を占める高齢者の大量離職が見込まれています。それを補うべき若手入職者が増加しないと、建設技能者の数は年々減少していくことがデータから予想されます。

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