特集

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2020年2月号 No.515

建設業の魅力を伝えるために今すべきこと

 データで見る2 若手の離職率と離職の理由 

現状 他産業に比べて課題大半数弱が3年以内に離職

建設業の高卒入職者の3年以内の離職率を見ると、全産業・製造業と比較しても常に高いことが分かります。データ中、最も離職率の高かったのは、2003年の57.4%。半数以上の高卒入職者が、3年以内に離職していました。また、離職率は高卒入職者数と相対的な動きを見せていましたが、2012年以降は就職者数が増加しても離職率は上昇しない傾向が見られます。近年の離職率はやや減少傾向にあり、直近のデータとなる2014年は47.7%まで下降。しかし、全産業の40.8%、製造業の28.9%と比較して離職率は依然として高く、若手人材の定着率向上は建設業全体の課題と言えるでしょう。

 

理由 離職の一番の理由は「きつい」ではなく「不安定さ」

若年層の建設業離職者に仕事を辞めた一番の理由を調査した結果、最も多く回答に挙がったのは、「雇用が不安定である」(9.6%)。また、「将来のキャリアアップの道筋が描けない」(6.2%)の回答も目立ちました。一方、同調査で併せて各企業に若手技能者が定着しない理由を尋ねたところ、上位から「作業がきつい」(42.7%)、「(若年技能労働者の)職業意識が低い」(40.8%)という回答が並びました。しかし、若年層技能者からの回答は、「作業がきつい」が5.1%、「職業意識が低い」は0.0%。企業と若者の意識には、大きな乖離があることが浮き彫りになりました。

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