特集
建設分野における外国人材の受入れについて

1. はじめに
建設業においては、従事する技能者の高齢化や少子化に伴う入職者の減少などにより、将来的に担い手の減少が見込まれる中、国内人材の確保や生産性の向上に加え、外国人材の適正かつ円滑な受入れによる中長期的な担い手の確保が重要な課題となっています。
外国人材の受入れについては、現在、主として特定技能や技能実習の在留資格に基づき外国人技能者を受入れているところ、令和6年6月に、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律(令和6年法律第60号)が公布され、来年4月から新たに育成就労制度が創設されることとなりました。
育成就労制度は、技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における3年間の就労を通じて、特定技能1号水準の技能を有する人材の育成・確保を目的として創設されるものであり、建設分野における外国人材政策は大きな転換期を迎えています。
2. 外国人材の受入れを取り巻く状況
建設業における外国人技能者数は年々増加しており、現在、約17万人の方々が就業しています。このうち、在留資格別にみると、技能実習が約12万人、特定技能が約5万人となっています。また、特定技能の内訳を国籍・地域別にみると、おおよそ6割がベトナム人、次にインドネシア、フィリピンとなっており、近年、インドネシアからの受入れが増加傾向にあります(図―1)。

一方で、我が国と主な送出国との賃金格差は縮小傾向にあるほか、韓国など他国との人材獲得競争も激化しており、外国人材に選ばれる環境づくりの必要性が高まっているところです。
3. 技能実習制度について
技能実習制度は、開発途上国等への技能移転による国際貢献を目的として、平成5年に創設された制度です。技能実習生は一定期間、日本で技能実習を行い、その成果を母国の産業発展に活かすことが想定されています。
建設分野においては、22職種・33作業での受入れが可能とされており、監理団体を通じて受入企業が実習を行う「団体監理型」が一般的です。在留期間は、最長5年間の在留が可能となっており、受入企業は、技能実習生ごとに技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構による認定を受けることとされ、外国人技能実習機構が技能実習の実施状況について実地検査を行うこととされています。
他方で、建設分野では、技能実習生による失踪の発生が課題となっており、年々減少傾向にはあるものの、依然として建設分野は、他分野に比して失踪者の発生割合が高い状況にあります。その背景には、処遇への不満や労務管理の難しさなど様々な要因が考えられます。
こうした課題に対応するため、建設分野では、月給制による安定的な賃金の支払いや建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、建設業許可の取得、受入人数枠の設定など、建設分野独自の上乗せ措置を講じているところです。




