特集

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2026年7・8月号 No 580

建設分野における外国人材の受入れについて

4. 特定技能制度について

特定技能制度は、深刻化する人手不足への対応として、生産性の向上や国内人材確保の取組を行ってもなお、人材を確保することが困難である分野に限って、一定の専門性・技能を有する外国人材を即戦力として受け入れることを目的として、平成31年に創設された制度です。

特定技能制度による外国人材の受入れは、現在16の産業分野(今後19の産業分野まで拡大予定)で認められており、建設分野もこの一つとなっています。

特定技能制度では、特定技能1号・2号の在留資格があり、特定技能1号は、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格、特定技能2号は、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格となっており、原則、それぞれにおいて必要となる技能水準・日本語能力水準を有していることを試験で確認することとされています。

在留期限については、特定技能1号では通算して原則5年までとされており、家族の帯同は認められていない一方、特定技能2号では在留期間の更新回数に制限がなくなり、家族の帯同も可能とされています。

建設分野においては、特定技能1号・2号ともに土木、建築、ライフライン・設備の3つの業務区分を設けており、技能実習制度とは異なり、それぞれの区分に含まれる幅広い作業に従事することが可能です。具体的には、特定技能1号では、指導者の指示のもとで業務に従事し、特定技能2号では複数の技能者を指導しながら工程管理を担う役割が期待されています。

特定技能制度についても、分野の特有の事情を鑑みて上乗せ基準を設定することができることとされており、適正かつ円滑な受入れを確保するため、建設分野独自の上乗せ基準として、特定技能1号外国人の受入企業は、建設特定技能受入計画を作成して国土交通大臣の認定を得ることとしています。

また、技能実習制度と同様に、月給制による安定的な賃金の支払いや建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、建設業許可の取得を求めているほか、特定技能外国人受入事業実施法人への加入や受入後講習の受講、適正就労監理機関による巡回指導の実施などの上乗せ基準を設けているところです。

これらの上乗せ基準については、育成就労制度の施行に併せて更なる適正化等を図る観点から、来年4月より、受入れ人数枠の特例の導入や、適正就労監理機関への協力、巡回指導を受け入れない企業等の公表などを盛り込んだ、新たな上乗せ基準を施行することとしています。

具体的には、まず、受入企業において一定数を超えて特定技能1号外国人等を受入れることができないとする受入れ人数枠について、これまで技能実習制度では優良認定を受けた受入企業は一定数以上の技能実習生を受入れることができるとする特例を設け、特定技能制度ではこれを設けていなかったところ、育成就労から特定技能1号への円滑な移行を確保する観点から、特定技能制度でも優良認定の特例を設けることとしています。

また、適正就労監理機関による巡回指導等に対して非協力的なケースも一部に見受けられることを踏まえ、建設特定技能受入計画の認定要件に、適正就労監理機関が行う調査又は指導への協力を明確に位置付けるとともに、国土交通大臣は、受入企業が国土交通大臣の指導に応じない又は適正就労監理機関が行う巡回指導を受け入れない場合等には勧告の上、社名等の公表ができることとしています。

5. 育成就労制度について

育成就労制度は、これまでの技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における人材の育成・確保を目的として創設されるものです。

本制度では、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成し、その後、特定技能1号・2号へ移行することが想定されています。育成就労制度においても、土木、建築、ライフライン・設備の3つの業務区分を設けており、特定技能制度と同様に、それぞれの区分に含まれる幅広い作業に従事することが可能となりますが、育成就労の修了までに、育成就労外国人は業務区分ごとに定められた主たる技能ごとに必要な技能水準を満たし、これを試験で確認する必要があります。

建設分野においては、監理支援機関を通じて受入企業が育成を行う「監理型育成就労」が一般的になると思われますが、この場合、非営利の監理支援機関を通じて育成就労外国人を受入れ、監理支援機関の指導・監査の下で受入企業が育成就労を行うこととなります。また、受入企業は、受入前に育成就労外国人ごとに育成就労計画を作成し、外国人育成就労機構による認定を受けることが必要となるほか、外国人育成就労機構が受入企業に対して育成就労の実施状況についての実地検査を行い、監理支援機関も3ヶ月に1回以上の監査を実施することとされています。

こうした全分野共通の仕組みのほか、育成就労制度においても建設分野独自の上乗せ措置を設けることとしており、基本的には現行の技能実習の上乗せ措置を踏襲した内容となっています。

ただし、育成就労外国人の雇用契約に係る業務内容や育成就労中の待遇等の重要事項について、育成就労外国人に対し、書面を用いた説明の実施を追加しているほか、労働安全衛生に対する意識の一層の向上を図るため、育成就労実施者又は監理支援機関が行う入国後講習において労働安全衛生に関するオリエンテーションを追加することとしています。

また、技能実習制度ではやむを得ない事情がある場合を除き、受入企業の変更(以下「転籍」という。)ができなかったものの、育成就労制度では、同一の企業の下で働いた期間が一定の期間を超えている(転籍制限期間)などの一定の要件を満たす場合には、育成就労外国人本人の意向による転籍が認められることとなっています。

この期間については、分野ごとに、その業務内容等を踏まえ、1年から2年までの範囲内で設定することとされています。建設分野においては、必要な技能の習得に相応の時間を要することや他の産業と比して外国人の労働災害の発生率が高く、労働安全衛生教育に一定の時間をかける必要があることなどが考えられるため、転籍制限期間は、当面、2年としています。

受入企業の判断で自主的に転籍制限期間を1年とすることを選択した場合を除き、育成就労計画において転籍制限期間を2年とする受入企業は、転籍を制限される育成就労外国人の待遇の向上を図るため、就労開始から1年経過後に、昇給等の待遇向上策を講じなければならないこととされています。この点、建設分野における待遇向上策については、建設業の前年の平均賃金の上昇率以上を基準に昇給率を設定・公表することとしています。

最後に、育成就労外国人を受け入れる際、受入企業は、分野を所管する行政機関が組織する分野別協議会に加入しなければならないこととされています。他方で、既に建設分野では、特定技能制度における上乗せ基準として、全ての特定技能所属機関に対し、特定技能外国人受入事業実施法人への所属を義務づけているため、育成就労制度においても、企業が特定技能外国人受入事業実施法人に所属している場合は分野別協議会に加入しているものとみなし、企業が特定技能外国人受入事業実施法人に所属していない場合は分野別協議会への加入を義務づけることとなりました。

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