特集

特集
2023年9月号 No.551

建設分野の特定技能外国人の受入れについて

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号のハンさん、グエンさん、タインさんの3名にお話を伺いました。

夏は海、冬は温泉へ。いつかは家族に日本のすばらしさを伝えたい!

母親から日本で働くことを勧められて来日を決めたという、親思いのハンさん。母国にいる家族の生活を少しでも支えたいと、技術の習得にも余念がありません。夢は、特定技能2号になって、家族を日本に呼び寄せること。「夏だったら日本の海へ連れていきたいです。冬だったら温泉がいいですね」。発想が日本人と同じなのが微笑ましいです。

日本で手に職をつけ、母国で起業するのが目標です!

高校を卒業後、農業大学に合格していたものの、家畜の病気が流行し始めたことがきっかけで、将来の仕事に危機感を感じ、進学を断念。日本で手に職をつけようと一念発起しました。「日本ではお金を稼ぐだけでなく、しっかりと技術を身につけたいです」と、グエンさん。将来は母国に帰って、エアコンを取りつける仕事で起業する計画も立てているそうです。

たくさんの魅力を体感したくて、日本で働くことを決めました!

タインさんは友達から日本の魅力を聞き、来日を決めました。「日本には景色の良い場所がたくさんあり、 親切な人が多いと知り、楽しみにしてきました」。実際はどうだったのかと質問すると「会社の人たちにはいつも助けてもらっています」と、笑顔で答えてくれました。会社の行事で楽しみなのが忘年会。パーティーのような雰囲気が大好きだそうです。

Action 受入企業の取り組み


管理部安全課 課長
小林 有希子 氏

2015年の受入れ当初から重視していたのが、彼らの生活環境を整えることでした。そこで、関連企業を介して、母国で学校の先生や通訳をしていた女性のベトナム人を紹介していただき、生活をサポートする上での注意点などを教わりました。また、ベトナム人の従業員に直接、日本での生活についてアドバイスをしてもらうなど、1年ほどはご協力いただきました。その後は当社で世話役を用意し、現在は私が担当しています。私の実家は農家で、幼い頃から技能実習生を受け入れていたので、さまざまな国の人と接する機会がありました。それが理由なのか、来日したばかりのつたない日本語も、不思議と私は理解できます。プライベートや仕事についての相談にも乗っていて、反対に私の息子が算数を彼らに教えてもらうなど、“日本のお母さん”のつもりで彼らと接しています。

Communication 距離を縮める工夫

職場で私が忙しそうにしていると、遠慮して話しかけてこないことがあるので、SNSでも相談を受け付けています。家に帰ってから「今日、仕事でこんなことがあったんだ」とベトナム語で伝えてくれるので、それを日本語に訳して読み、返答しています。それを繰り返していたら自然と距離が縮まりました。


“日本のお母さん”小林さんと「ハイ、チーズ!」

Advice 受入れを検討する他社へ

コミュニケーションに関して言えば、毎日声をかけることが何よりも大切です。ベトナムは家族を大切にする国なので、家族のことを聞いたり、反対にこちらも家族の話をしたり、お互いに自己紹介することで信頼関係が強まるはずです。彼らは人生をかけて日本へ来ています。ぜひ手厚くサポートしてほしいですね。


社内行事はベトナム人が中心となりいつもにぎやか

 

【冊子PDFはこちら

1 2 3 4 5 6

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
アンケート募集中
メールマガジン配信希望はこちら