特集

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2020年5月号 No.518

特集 写真家 山崎エリナ ×建設業

「これが僕たちの日常なんだ」当たり前の暮らしを支えてくれる建設業

佐々木 建設業の方と話すと、「現場での仕事の様子が世間に知られてない」「建設業の仕事がどういうものかあまり伝わっていない」と、もどかしさを抱えている声を聞きます。
山 崎 それは本当に感じます。たとえば災害が起きたとき、自衛隊やボランティアの方などの活躍は取り上げられますが、その方たちを運ぶ車両や作業車が通る道を事前に整備したり、インフラを整えたりするのは、地元企業をはじめとした建設業の皆さんですよね。そうした方々が復興を支えている存在だということを、もっと多くの方に知ってもらいたいです。
佐々木 写真や映像といった分野で、もっと建設業の方が頑張っている姿を事実として伝えていく必要があると感じています。
山 崎 最初に建設業という分野を撮影したとき、現場の方が「これが僕たちの日常なんだ」と仰ったことが強く印象に残っています。私にとっては初めてのことばかりで、本当に驚きの連続でしたが、こうした世界を日常にして暮らしを支えてくれている方がいるんだと思うと、感謝の想いがいっそう強くなりました。

仕事への姿勢や仕事への誇りが観る方の心を震わせる

佐々木 建設業に限りませんが、ものづくりの現場で働こうという若い方が減っている中、どのようにしてこの業界に関心を持ってもらうか、魅力を感じてもらうかという点が大きな課題になっています。先ほど仰ったような、トンネル工事の写真を見て若者が求人に来てくれたというお話を聞くと、写真一枚が伝える大きな力を感じました。
山 崎 一人でもそういう若い方を増やしていきたいですね。以前にインフラ事業の建設現場を写した写真展を開催した際にも、「ぼくもこんなふうに、人を守る仕事につきたいです」と言ってくれた高校生もいて、本当に嬉しかったです。また来場された方が一様に仰ったのは「こうやって私たちの道路はつくられていて、支えられているんですね」という言葉でした。肩を震わせ、涙を流されている方もいて…。現場の方の仕事への姿勢や、仕事に対する誇りといったものが、写真を観る方にも伝わっているのかなと思います。
佐々木 それは素敵なエピソードですね。現場の臨場感をそのままに撮るからこそ、そうした空気感が伝わるのでしょう。私が子供だったころに比べて、街なかの建設現場などにも仮囲いなどが置かれるようになり、どんどん一般の方の目に触れづらくなっているように感じます。どういう仕事をしているのか、そこで働く人がどんな表情をしているのか、そうした世界が見えてくると建設業に関心を持ってくれる方もさらに増えてくれると思います。

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