特集

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2022年9月 No.541

コロナ禍で考える採用活動・離職防止の取り組み

採用についての取り組みを教えてください。

私たちのような中小企業は、大手企業と同じ手法を取ってもなかなか人を集めることはできません。中小企業ならではのフットワークの良さを活かしたいと考え、最近は「カジュアル面談」という形にチャレンジしてみました。これは、通常の採用面接のような硬い場ではなく、社長に気軽に意見や悩み、気持ちをぶつけようという趣旨のオンライン面談です。私服で話すようなカジュアルな場だからこそ、互いの人柄もより深く知ることができます。また工業高校生や工学部生といった方だけでなく、様々な分野の若手とも話す機会が増え、人材の裾野も広がりました。実際に建設業とは全く異なる分野からスエヒロ工業への入社を希望する若手も出てきています。

ただせっかく入社してくれても、「こんなはずでは…」と入社前後に大きなギャップを感じさせてしまっては、新しい人材も定着しません。我々としては、入社前の会社見学に来てくれた希望者に対して、たとえば炎天下での現場作業など、あえて過酷な現場を見てもらうようにしています。長く続けてもらうためには、それが一番だと思うからです。うれしい誤算ですが、そうした現場を見ることで、この仕事の意義や価値を改めて認識してくれた若者もいました。希望を持って入職するに値する、ずっと働き続けられるすばらしい業界なんだ、ということを感じてもらえたらうれしいです。

肩の力を抜いて希望者とオンラインで対話する「カジュアル面談」を設定。
建設業以外の人材にも裾野を広げられている。

今後に向けての想いを教えてください。

私自身は22歳のときにスエヒロ工業へ入社したのですが、家族の健康問題から次の年には社長になりました。先代とは性格も経験も異なる中で、試行錯誤の繰り返しでしたが…そのときに思ったのは、仮に会社を「家族」に置き換えたとき、先代が「親父」的な立場で社員と関わっていたのなら、自分は「長男」のような立場で関わろうということです。ピラミッドのような形ではなく、横並びの立場で経営していきたいと、当時の社員全員にも宣言しました。スエヒロ工業は、社員や協力会社の皆さまなどの「人」で成り立っている会社。一枚岩で動ける機動力と団結力こそ私たちの最大の強みです。その原動力となる方を、これからも期待したいですね。

 

社員の方の声を聞いてみました!

社長のもとで、温かい雰囲気と
お互いを助け合う文化がつくられている会社。

もともと他業種で働いていたのですが、20歳のころに縁あってスエヒロ工業へ入社しました。
社長には入社当初から気さくに話しかけていただき、人付き合いの悩みなどについても親身に相談にのってくださいました。今も普段から声をかけてもらい、現場のことから何気ない雑談まで「兄」のような立場で耳を傾けてくださいます。仕事面だけでなく、精神面でも大きく成長させていただいたと感じています。周りにもそうした態度で接してくださるから、会社全体も温かい雰囲気。みんながお互いを助けようとする文化がつくられている会社なので、私もさらに貢献していきたいと思います。

 

 

まとめ

建設業においてますます重要となる採用・雇用の取り組み。
意欲的に取り組む2社をヒントに、人材との関わり方を見つめ直してみませんか?

 

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