特集

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2022年9月 No.541

コロナ禍で考える採用活動・離職防止の取り組み

取り組み事例 CASE②
株式会社スエヒロ工業(静岡県)

日頃の声がけやベテラン・若手双方へのフォローが基本!
アットホームな雰囲気を「カジュアル面談」などを通して伝えていく。

企業プロフィール
1987年にアスファルト防水専門工事会社として創業した株式会社スエヒロ工業。現在は総合防水工事・塗装工事に加えて、ビル・マンションの大規模修繕工事を展開。トレーニングジム運営などのヘルスケア・ウェルネス事業も提供する、静岡県沼津市に本社を置く企業です。

 

取り組みのポイント
  • 制限がある中でもきめ細かな「コミュニケーション」「フォロー」が基本!
  • 社員の人となりを伝える「社内報」を発行。年長者と若手をつなぐ工夫も。
  • オンラインでの「カジュアル面談」を導入。幅広い分野の若手とつながる!
  • 入社後のギャップを防ぐ「現場見学」。仕事の意義や価値の再認識にも◎!

離職防止につながる取り組みを教えてください。

あえて特別なことを仕掛けるという意識はなく、基本はきめ細かなコミュニケーションと社員それぞれへのフォローが大切だと思っています。従来から会社としても社員間の交流促進の重要性は認識していたので、バーベキューなどのレクリエーションや懇親会といった交流の場を大切にしてきました。今の若手はもっとドライで、そういう交流は求めてないのでは?と思いがちですが、一歩踏み込んでみると心を開いてくれるように感じます。ただコロナ禍でそうしたイベントも難しくなったこともあり、現在はコロナ禍以前から取り組んできた「社内報」の発行に力を入れています。毎号、職人さんや親方、従業員の方など、一人ひとりをとりあげた紹介記事を掲載しています。普段関わりの薄い方の人となりがわかり、社員間のつながりを深めるコミュニケーションツールとなっています。

また採用にも紐づく話ですが、建設業においては職人の人材不足が顕著で、雇用をしても技術が伝承されない・人が育たない状況が続いています。協力会社の皆さまの中にも一人親方などが増え、工事の種類や規模によっては仕事を依頼することが難しい場面も出てきます。そこで「逆独立制」という形で、個人事業主として働かれている親方などにスエヒロ工業へ入社してもらうリクルート活動も行っています。これには人材確保という目的に加えて、そうした優れたベテランの考えや技術を、若手につなげていきたいという狙いもあります。せっかく建設業に魅力を感じて入職したのに、育成する環境が整っていないようではこの業界を離れてしまいます。ベテランと若手を組ませることで、若手の現場経験も濃いものになります。スエヒロ工業としてはベテランも若手もバックアップし、お互いに幸せな形で仕事をしていければと考えています。

ベテランと若手とでは、意識や価値観のギャップも当然あります。そうした部分こそ、私が双方とコミュニケーションをとり、架け橋になることが大切だと思っています。日頃から積極的に話しかけ、それぞれの理解を深める機会を増やすなど、社長ともベテランとも気軽に話せる雰囲気づくりをしていくことが大切です。

あわせて、自身のスキルや経験が蓄積されていく建設キャリアアップシステムや資格取得支援にも取り組んでいます。モチベーションが上がるうえ、それぞれの能力の証明にもなるなど、得られるものも多いです。

異なる支店や普段関わりの薄い社員の人となりが見える「社内報」を月に一回のペースで発行。

基本となるのは社長と社員間のコミュニケーション。
親しみを持って皆さんと接する。

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