特集

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2022年6月 No.539

建設分野の特定技能外国人の受入れについて

現場で働くみなさんの声

日本での仕事や生活、またこれからの目標について、特定技能1号として働くベトナム出身のトゥンさん、タンさんにお話を伺いました。

トゥンさん

強みはゲームで上達した日本語。
来日予定の弟と早く同じ現場で働きたい!

24歳で一家の大黒柱として、母国ベトナムにいる母や弟を養っているトゥンさん。日本語が得意で、日常的な会話なら問題なく話すことができるそうです。「オンラインゲームで日本人と話しながらプレイしていたら、自然と上達していきました」。来月にはベトナムから弟が来日し、現場で一緒に働く予定。今から待ち遠しいと、笑顔で教えてくれました。

タンさん

住みやすく環境のいい日本で
家族一緒に暮らすのが夢!

5歳と6歳の息子を持つタンさんは、来日する前は台湾で働いていたそうです。日本との違いを聞くと、「日本はとにかく街がきれいで、騒音も少ない。こちらのほうが住みやすいです」と答えてくれました。そんな日本で家族と暮らすのが夢だとか。現在は教習所に通っていて、数年後には車を購入したいとのこと。「早く免許を取得して、自家用車で現場に行くのが目標です」。

 

工事長
後藤 直樹 氏

Actionアクション 受け入れ企業の取り組み

受入れをスタートした当初は、言葉が通じないことや、文化や生活習慣の違いから日本人従業員とトラブルにならないか、不安な部分があったのは事実です。どのようにすればコミュニケーションをうまくとることができるか、スムーズに作業を進めることができるか、これまで手探りで模索してきました。その中で、特定技能や技能実習生との関係性を良好に保つ方法の一つとして行っているのが、様々な国籍の方をバランスよく受け入れるということです。実際に、これまで中国人、モンゴル人、ミャンマー人、ベトナム人など、様々な国籍の方を受け入れてきました。それぞれ国が違う人を少数かつ同時期に受け入れることで、同じ国の人同士で固まることもなくなり、その分、日本人との距離も縮まります。また、彼らも故郷を離れて働きに来ている立場なので、人種が違っても仲間意識が強くなるようです。すると、菅原設備の仲間が国境を越えた“ファミリー”になり、強い愛社精神まで持ってくれるようになりました。今では、日本人、外国人という垣根もなく、共に働く仲間として強い連帯感が生まれています。

Communicationコミュニケーション 距離を縮める工夫

日本語を話すスピードが速いと聞き取りづらいようで、基本的にはゆっくり話すようにしています。また、話し方も「これ、配管、大丈夫?」と、簡単な単語で区切りながら話すとより理解しやすいようです。他の業者もいる現場で活躍するには、日本語レベルを上げることが大切です。そこで当社では、日本語教室を開催し、月に1回オンライン学習を行っています。受入れが決まっている人にも海外で受講してもらうなど、日本語が上達する体制を整えています。

Adviceアドバイス 受け入れを検討する他社へ

今後、少子高齢化が進む日本で建設業を営んでいくには、海外の人材を受け入れることを前提にしていないと成り立たなくなる可能性があります。とはいえ、最初の一歩を踏み出すのが怖いのもわかります。そこで、実際に受入れをスタートしている企業の現場を一度見学してみてはいかがでしょうか。おそらく、1日でもその働きぶりを目の当たりにしたら、彼らがいかに一生懸命に仕事をしていて、現場で力を発揮しているかがわかるはず。ぜひ体感してみてほしいと思います。

仕事熱心で成長意欲も高いタンさん

現場でミニショベルを操るトゥンさん

同僚の日本人との息もぴったり

みんな仲良く働いてます!

ONE FOR ALL, ALL FOR ONE

2022年3月24日取材

JAC取材班より
みなさん、本当に日本語が上手で、通訳さんは一切必要なしでした。インタビューしたのはべトナム国籍の2名でしたが、他の国籍の方もいらっしゃいます。それはあえて、多国籍にするという企業の方針とのこと。こちらの企業様は、日本語の「かるた」や「しりとり」をしてみんなで楽しく日本語を覚えてもらうという工夫をしています。そのような企業の取組みもあり、自動車学校に通いALL日本語の授業とテキストで、普通自動車運転免許に一発で合格したとのこと。会社全体が、大変若く今後成長していくエネルギーを感じました。

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