特集

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2022年5月 No.538

建設業界の電子商取引 CI-NETの新たな展開

2.現在の取り組み

(1)生産性向上からコンプライアンス、データ活用に

CI-NETの導入は発注側の元請企業から取引先への要請でスタートします。先ずは調達業務(見積、契約業務)のデータ交換から実施する場合が多いようです。平成13年にIT書面一括法により建設業法が改正され、書面の契約のほか電子契約も認められるようになったことや、CI-NET向けのASP(Application Service Provider)が立ち上がり、CI-NETのサービスを展開するようになったことで、CI-NET導入企業が増えてきました。当初は印紙税や契約書等の郵送コスト、事務作業の省力化など、コスト削減や生産性向上を目的とした取り組みが多く見られましたが、近年ではそれらに加え、コンプライアンス向上やデータ活用の観点で導入する企業が増えてきています。

CI-NETで見積書や契約書を電子データでやり取りする場合、多くの企業では社内のワークフローを構築し、業務の進捗管理をしています。誰のところで見積書や契約書のデータが停滞しているかなどがすぐに分かる、“見える化”の効果も大きく、導入する要因の一つとなっています。また法令に基づき、契約書等の保存が求められていますが、電子データ故の場所をとらないことや契約データがきちんと保存されるなどの利便性も高まり、コロナ禍でのリモート環境の進展と共に電子契約への移行を検討する企業も増えつつあります。

(2)現在は2023年10月開始のインボイス制度対応へ

CI-NETの活動としては、CI-NET(EDI)のルールをメンテナンスする標準化の取り組みとCI-NETの普及推進の取り組みを進めています。標準化としては、2023年10月にスタートする「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」への対応のため現在、規約の改訂を実施したところです。また、広報普及の取り組みではコロナ禍を回避するため、CI-NETに関する説明会などをウェビナー形式で実施しています。

 

3.今後の展開

今後の取り組みとしては、インボイス対応のほか、既にCI-NETを導入している元請企業に対して、対象業務の拡大を働きかけていく予定です。EDIならではの効果として、見積から契約業務に留まる元請企業が出来高・請求業務へと業務を拡大することで、元請企業のみならず取引先に対しても大きな業務の効率化に繋がります。

また、国の施策としても電子商取引をより推進することが求められていますので、国土交通省とも連携をはかり、CI-NETによる電子商取引の普及を進めて参ります。

CI-NETに関するお問い合わせ

下記WEBサイトにアクセスしていただきますと、更に詳しい内容がご覧になれます。
CI-NET Webサイト:https://www.kensetsu-kikin.or.jp/ci-net/index.html

(一財)建設業振興基金 経営基盤整備支援センター
情報化推進室 CI-NET(シーアイネット)担当
TEL:03-5473-4573
E-MAIL:ci-net01@kensetsu-kikin.or.jp

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