特集

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2022年3月 No.536

登録経理講習がスタート!「建設業経理士CPD講習」

2. 試験制度と経営事項審査との関係

建設業経理事務士が建設大臣認定資格となったことにより、資格を活用しようとする動きが起こってきました。主観的事項で加点評価したり、申請書類に建設業経理事務士の数を記入させる地方公共団体が現れました。

このような動向もあり、受験者数も逓増していきましたが、さらに平成6年に大きな転換期を迎えることとなります。公共工事入札に関係する「経営事項審査」の評価項目に建設業経理事務士が取り入れられることとなりました。企業に在籍する建設業経理事務士(1級~3級、3級は時限措置)を加点評価するものです。これによって業界から一躍注目を浴びることとなり、当時の受験者数も膨大なものとなりました。

その後、平成13年には行政改革の一環として審査・証明事業の多くが廃止されることとなり、国土交通大臣認定資格はすべて廃止されることとなりました。しかし、建設業経理事務士は、その社会的重要性から建設業法施行規則第19条に「建設業の経理知識審査等事業」として位置付けられ、経営事項審査の加点評価も維持されました。

 

3. 登録経理試験の創設

平成14年、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」が閣議決定され、公益法人が実施する民間資格・講習に対する国のお墨付きが、平成18年3月までに廃止されることとなりました。対象となる資格・講習は、単なる技能審査については認定等の廃止を、国の制度に組み込まれているものは制度を見直し、登録試験として実施する等の措置を講ずることとされました。

これに基づき国土交通省は必要な措置を講じて、『建設業の経理に必要な知識を確認するための試験』を、登録試験として省令に規定したうえで実施することとしました。平成18年4月に建設業法施行規則が改正され、第19条が廃止されるとともに、新たに登録経理試験が創設されました(第18条の3)。登録経理試験は、法令で定める要件を満たす者が実施申請を行い、国土交通省の認定を受けることにより実施できます。

建設業振興基金は、登録経理試験の実施機関第1号として平成18年6月8日に認定され、従来実施していた1級・2級建設業経理事務士検定試験を発展的に解消し、登録経理試験(1級・2級)として実施することとしました。また、建設業振興基金が実施する登録経理試験は、その名称を「建設業経理士検定試験」とし、それまで年1回実施していた試験を年2回実施としました(第1回実施:平成19年3月11日)。

なお、3級と4級については、従来通り「建設業経理事務士検定試験」として、建設業振興基金が行う独自の資格試験として位置付けました。

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