特集

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2020年7・8月号 No.520

最近の経営事項審査の改正点及び今後の改正予定等について

ⅴ  知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況に関する改正(令和3年4月1日施行予定)

改正建設業法において、建設工事に従事する者は、建設工事を適正に実施するために必要な知識及び技術又は技能の向上に努めなければならないこととされているところ、継続的な教育意欲を促進させていく観点から、建設業者による技術者及び技能者の技術又は技能の向上の取組の状況を評価する予定。

具体的には以下の式により算出した数値が別表2のいずれに該当するかを審査する予定。(※令和2年6月20日〜7月19日パブリックコメント実施)

Z1の数値は、技術者数(主任技術者又は監理技術者となる資格を有する者及び一級又は二級の第一次検定に合格した者)。

Z2の数値は、技能者数(審査基準日以前3年間に建設工事の施工に従事した者の数から、建設工事の施工の管理に従事した者(ただし、建設工事の施工の管理に従事した者であっても、建設工事の施工の管理の他に建設工事の施工に従事した者は除く。)の数を除いた数)。

Z3の数値は、審査基準日以前1年間に建設業法第18条の3第2項第1号に該当する者並びに一級又は二級の第一次検定に合格した者が取得したCPD単位数の合計値を技術者数で除した数値が5未満の場合は0を、5以上10未満の場合は2を、10以上15未満の場合は4を、15以上20未満の場合は6を、20以上25未満の場合は8を、25以上の場合は10とする(ただし、CPD単位数の合計値として算入できる技術者一人あたりCPD取得単位数は30単位を上限とする。)。

Z4の数値は、審査基準日以前3年間に能力評価基準により受けた評価の区分が審査基準日より3年の日以前に受けた最新の区分により1以上上位であった者の数を技能者数から審査基準日より3年間の日以前に能力評価基準により評価が最上位の区分に該当するとされた者の数(以下「控除対象者数」という。)を除いた数で除した数値を百分率で表した数値が3%未満の場合は0を、3%以上6%未満の場合は2を、6%以上9%未満の場合は4を、9%以上12%未満の場合は6を、12%以上15%未満の場合は8を、15%以上の場合は10とする。なお、能力評価基準によって評価を受けていない者については、最も低位の区分に評価されているものとして審査する。また、技能者数から控除対象者を除いた数値が0である場合、Z4の数値は0として審査する。

別表2

 知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況   評点 
10以上 10
8以上 〜 10未満 8
6以上 〜 8未満 6
4以上 〜 6未満 4
2以上 〜 4未満 2
2未満 0

おわりに

経営事項審査制度は、公共工事における企業評価のいわば物差しであり、建設業者の経営に与える影響も大きいため、その評価項目や基準については、社会情勢が変化する中でも評価の適正性を欠かないために、また企業行動を歪めることのないように適宜の見直しが必要である。今後も絶えず変化していく建設業界のあり方を反映しながら、経営事項審査制度のあり方について必要な検討を行ってまいりたい。

 

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