特集

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2020年7・8月号 No.520

最近の経営事項審査の改正点及び今後の改正予定等について

Ⅲ  新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律第3条の規定による納税猶予の適用者等に係る経営規模等評価における納税証明書の取扱いについて(令和2年5月29日施行)

国税庁次長より消費税(地方消費税を含む。)の滞納を未然に防止するために、経営事項審査において消費税納税証明書を活用するよう協力依頼があったことを受け、「経営事項審査における消費税納税証明書等の活用について(依頼)」(平成12年建設省経建発第123号)を発出し、当該証明書において未納税額がないことを確認し、また未納があることが判明した場合には、速やかに完納するよう指導するよう、各許可行政庁あてに依頼していたところである。

他方、今般、国税庁においては、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に納税が困難となっている事業者に対して、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律(令和2年法律第25号)、国税通則法(昭和37年法律第66号)又は国税徴収法(昭和34年法律第147号)に基づく猶予制度(以下単に「国税の猶予制度」という。)が活用されるよう周知を行っているところであり、国税庁管理運営課長及び徴収課長より国土交通省土地・建設産業局建設業課長あて、国税の猶予制度の適用を受けた者に対してする国税の納付指導は省略可である旨が示されたことを受け、国税の猶予制度の適用を受けた者に対しては、その猶予期限まで完納の指導を不要とすることとした。(令和2年国土建第39号)

ⅳ  建設業の経理の状況に関する改正(令和3年4月1日施行予定)

公認会計士となる資格を有する者や税理士となる資格を有する者、また建設業経理士等については永久資格として、試験合格をもって経営事項審査の建設業の経理の状況における加点対象としてきたところである。他方、企業会計基準が頻繁に変化する中で、継続的に専門的な研修を受講することで最近の会計情報等に関する知識を習得することが重要となっているところ、公認会計士及び税理士については、資格取得後の研修の受講が義務化される方向にある。

これらを踏まえ、公認会計士等数の算出にあたって算入できる者を、建設業の経理に関して最新の知識を有しているとみなされる以下の者へと改正する予定。(※令和2年6月20日〜7月19日パブリックコメント実施)

① 公認会計士であって、公認会計士協会において公認会計士の資質の向上を図るための研修として認められる研修を、経営事項審査を申請する日の属する事業年度の直前の事業年度終了の日が属する年度の直前3年度において120時間以上受講した者
② 税理士であって、1年以内に税理士試験に合格した者又は所属税理士会において税理士の業務の改善進歩及びその資質の向上を図るための研修として認められる研修を経営事項審査を申請する日の属する事業年度の直前の事業年度終了の日が属する年度の直前の年度において36時間以上受講した者
③ 一級登録経理試験に5年以内に合格した者
④ 一級登録経理試験に合格し、5年以内に一級登録経理講習を受講した者
⑤ 平成28年度以前に一級登録経理試験に合格した者(令和5年3月までの間に限る。)
⑥ 一級登録経理試験に合格した者の知識の向上を目的として一般財団法人建設業振興基金が実施する講習を5年以内に受講した者
⑦ 二級登録経理試験に5年以内に合格した者
⑧ 二級登録経理試験に合格し、5年以内に二級登録経理講習を受講した者
⑨ 平成28年度以前に二級登録経理試験に合格した者(令和5年3月までの間に限る。)
⑩ 二級登録経理試験に合格した者の知識の向上を目的として一般財団法人建設業振興基金が実施する講習を5年以内に受講した者

 ※公認会計士等数 =(①~⑥の人数)× 1 +(⑦~⑩の人数)× 0.4

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