特集

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2019年11月号 No.513

女性技能者の活躍を推進!

 仕事や現場で困ったことや大変なことは? 

湯澤 女性の作業員が増えて、環境が整ってきました。女性専用のトイレが設置してある現場も多くなりました。

内山 私が担当している土木系の現場は工事の初期段階ということもあり、あまり整った環境ではない場合があります。トイレにはせめてトイレットペーパーを置いてほしい。もしくは事前に状況が分かれば、自分でティッシュペーパーを用意するなど対策ができて助かります。

湯澤 もし改善を望めるなら、私は更衣室をつくってほしいです。今は「誰も入ってこないで!」とお願いして、小屋や車で着替えているので。仕事面では例えば高所の作業など効率的に進まず、悔しい思いをすることもありますよね。

内山 男性より体が小さい分、狭い場所での作業がしやすいことなど、女性ならではの強みを活かすことができる仕事も多々あります。力仕事ではかなわないことがあっても、私は効率だったり正確性では負けないという意識でいます。急いでいる現場でスピーディーに仕上げることができたときには、達成感があります。

大平会長 内山さんは親方から教えてもらった方法を鵜吞みにするのではなく、自分なりに改善できるところを考えて取り組んでいる姿が頼もしい。お客さまも内山さんのそういった姿勢を評価して、指名で仕事を依頼されるくらいだからね。男性技能者たちのいい刺激になっていますよ。

湯澤 私はこれまでできないことがあると、「女だからできないんだ」と理由を決めつけていましたが、後輩ができてからはそうはいかなくなりました。親方の話をちゃんと聞いて、自分のペースではありますが少しずつできるようになっているなという実感があります。自分のミスは自分の責任でいいのだけど、後輩に説明したことが間違っていたらその子が親方に怒られてしまう。そういうのを回避するためにも、やっぱり話はよく聞かないといけないと感じています。

大平会長 湯澤さんはいつも最後まで現場の掃除をしてくれています。率先して取り組むことで後輩のいい手本になっています。バシバシ指導しているしね。本当にふたりとも向上心をもって取り組んでいて、現場のいいムードメーカーになっていますよ。

現場で真剣なまなざしのふたり。常に「もっと効率的な方法はないか」と、改善しながら作業と向き合う

 

 産休・育休制度についてはどう思う? 

内山 建設業で、産休・育休制度って珍しいですよね。今はまだ詳しい内容をしっかりと把握していないのですが、今現在の思いとしては、結婚しても出産してもずっとこの仕事を続けたいと思っています。

湯澤 この会社に入るまでは、子どもができたら仕事は辞めないといけないのかと思っていました。でも社長から「ちゃんと制度もあるし、現場に戻れなくても積算業務などもできるから」と説明いただいて。安心して働き続けられるのだと思いました。

内山 仕事の環境もそうですが、制度面も整っているので、とっても働きやすい会社だと感じています。できれば制度を活用したいですね。

湯澤 はい。制度を利用して、この会社に戻ってきたいなって思います。そのときには、現場もいいですが、加工場の仕事にも興味があります! でもその前にまずは、1級鉄筋技能士の試験に最優秀賞で合格したいです。

内山 そうですね。受けるからには最優秀賞がほしい。あとは、現場での作業はもちろん段取りから現場が完了するまでの一連をすべてできるように、そして指示も的確に出せるような技能者になることを目指します。

最近は現場で他社の女性技能士を目にすることが多くなったという。その存在が心強く、「女性でちゃんとやっているのは、かっこいいな」と刺激になると語りあった

 

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