特集

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2019年9月号 No.511

新・担い手3法の解説

(5)標識の掲示義務の緩和(建設業法第40条関係)
これまで下請業者も含め工事現場で施工する全ての建設業者に許可証の掲示が義務づけられていたところ、負担軽減の観点から、発注者から直接請け負った工事のみを対象とすることとした。なお、引き続き適切な情報提供を行うため、施工体系図の記載事項等について省令の改正を行う予定である。

(6)調査・設計の品質確保(品確法第3条、第7条及び第8条関係等)
公共工事の品質確保を図る上では、工事の施工のみならず工事に関する調査等(測量、地質調査その他の調査(点検及び診断を含む。)及び設計)も、建設段階及び維持管理段階を通じた総合的なコストの縮減と品質向上に寄与するなど重要な役割を果たしている。そのため、「公共工事に関する調査等」が新たに広く品確法の対象として位置づけられ、基本理念及び受発注者の責務等の各規定の対象として追加された。

(7)発注関係事務に関し援助を適切に行う能力を有する者の活用
公共工事の品質確保にあたっては、各発注者における発注関係事務を適切に実施するための環境整備が重要であるところ、技術者の不足等の理由により、適正な工期設定等の発注関係事務を発注者自らが適切に行うことが困難な場合が想定される。そのため、国及び都道府県は、発注関係事務に関し助言その他の援助を適切に行う能力を有する者(CMR(コンストラクション・マネージャー)等)の活用等の促進に努めることとされた。

(8)公共工事の目的物の適切な維持管理
近年頻発する自然災害や、社会資本の老朽化に的確に対応し、国民の安全・安心を確保するとともに、公共工事の目的物の中長期的な維持管理・更新等を含めたトータルコストの縮減や予算の平準化を図る観点から、公共工事の目的物に対する点検、診断、維持、修繕等の維持管理が重要性を増してきている。これを踏まえ、国、特殊法人等及び地方公共団体は、公共工事の目的物の品質が将来にわたり確保されるよう、維持管理の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮しつつ、当該目的物について、適切に点検、診断、維持、修繕等を実施するよう努めなければならないこととされた。

 

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