特集

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2026年10月号 No 582

「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」について

改正法の概要②
ー進展する省エネ技術への対応ー

進展する省エネ技術に対応し、先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度と、最大手の住宅供給事業者に対し、より高い省エネ性能の住宅の供給を促す上位住宅トップランナー制度を新たに創設します。先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度では、特殊な構造又は設備を用いた建築物について、国土交通大臣が誘導基準と同等の性能を有する旨を認定します。これにより、当該建築物を建築物エネルギー消費性能向上計画の認定対象とし、容積率特例等を受けることが可能となります。この措置を通じて、先導的な省エネ技術の開発、導入へのインセンティブを高めます。

一方の上位住宅トップランナー制度では、住宅供給量において概ね市場の1/4を占める最大手の住宅供給事業者を上位住宅トップランナーとして指定し、当該事業者は、省エネ性能の向上に関する目標を含む中長期的な計画を策定し、その取組状況を毎年度国土交通大臣に報告することが義務づけられます。この制度を通じ、業界をリードする企業に牽引役になっていただくことで省エネ性能の優れた建材、設備が広く利用されるようになることが期待されます。それに伴い、建材・設備価格の低廉化や協力企業を含めたノウハウの蓄積が実現し、省エネ性能の優れた建材をより利用しやすくなることで、業界全体でさらなる省エネ性能の向上と脱炭素化の促進が期待されます。

おわりに

近年の異常気象や気温上昇に対する将来へ向けた対策は重要な課題となっており、国、事業者、自治体など多様な主体の連携が求められています。しかし、この課題に対して有効な建築物のライフサイクルカーボンの削減は需要者の方々にメリットとして見えにくく、また、従来はそこに対して高い志をもつ事業者の方々も評価することが難しい状況でした。今回の法改正はそのような状況への布石となり得るものであり、国際的にも大きな意義をもつものです。

建築分野におけるライフサイクルカーボンの削減に向けたCO2等排出量原単位の整備や具体的な算定・評価手法の確立等については、改正法の成立を受けて、今後加速度的に検討が進められていくものと考えられます。その検討の場として、昨年度に引き続き今年度も建築物LCA制度検討会が開催される予定であり、本稿読者の皆様にもその動向について引き続きご注目いただきたいところです。

国土交通省としては、引き続き、住宅・建築物の質の向上を図りつつ、脱炭素社会の実現に寄与できるよう、取り組んでいく所存であり、制度の動向にご注目いただければ幸甚です。

 

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