特集

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2018年4月号 No.497

建設産業における女性活躍推進に向けた取組み

建設産業女性活躍セミナー全国大会
女性が活躍する建設産業の未来に向けて

全国10都市において開催してきた建設産業女性活躍セミナーは3月1日、東京都港区の三田共用会議所での全国大会において締めくくられました。

 

開会の挨拶

青木 由行  国土交通省 建設流通政策審議官
災害支援やインフラ整備・メンテナンスなど、地域には建設産業がしっかり足腰を強くして支えていかなければならない仕事がたくさんあります。今後、生産年齢人口も減り退職者が増える中で、女性の活躍は建設産業の担い手確保に必要なことです。女性の活躍で、現場の工夫が進み、生産性が向上したケースもあります。女性に選ばれる建設産業を行政としても力強く支援していきます。

講 演

籠田(こもりた) 淳子氏 有限会社ゼムケンサービス 代表取締役
各地域ブロックで開催した建設産業女性活躍セミナーを振り返って
全国10都市で開催されたセミナーすべてに参加し、建設産業で働く女性一人ひとりの話を聞いて胸を熱くしました。
建設産業を女性の一生の仕事にする3つのポイントは、「ワークライフバランス」「全社経営・ワークシェアリング」「女性力・男性力を明確にすること」です。
セミナーでは、圧倒的多数の男性の中で女性が働く際のギャップや、受入体制の整備が不足しているという意見が出ました。入職したからには、女性であっても昇給昇進というキャリアプランを描きたいが、ロールモデルがないという話も出ました。
建設産業の女性たちは、本当にたくましく、頑張っています。その姿は若い女性たちにも良い影響を与えていますが、産業全体では、まだまだ、女性が働きやすい環境が整っているとは言えません。そこで、昨年「けんちくけんせつ女学校」を設立しました。“けんせつ現場に立てる女”と“けんせつ現場に立たせる会社”の橋渡しをしていきたいと考えています。

建設産業における女性活躍を推進する各団体の紹介


(一社)日本建設業連合会 けんせつ小町委員会 職場環境整備専門部会長
西岡 真帆
女性がもっと活躍できる建設産業を目指し、けんせつ小町フォーラムを全国で開催。また女性を受け入れる際の参考にしていただく職場環境改善マニュアルを作成しました。


(一社)日本造園建設業協会 女性活躍推進部会 部会長
酒井 一江
造園工事業を営む企業で構成する全国団体です。電子会議による日常部会運営と、会議形式による部会開催を行っています。


(一社)土木技術者女性の会 企画広報局長
村上 育子
女性技術者自身で1983年に設立・運営し、北海道・東日本・中部・西日本の4支部で構成。他団体等と連携しながら、全国550名超が活動しています。


日本建築仕上学会 女性ネットワークの会 主査
熊野 康子
女性の建設業における職域の拡大を目指して活動しています。個人会員は約300名。5周年にあたる今年は、記念図書を出版する予定です。


一社)建築設備技術者協会 設備女子会 事務局長
竹下 香里
女性技術者の親睦を図ると共に、業界全体の活性化を図る活動をしています。学生向けの出張教室はとても好評でした。


全国低層住宅労務安全協議会 じゅうたく小町部会
根本 希美
住宅メーカーの女性監督を中心に、低層住宅建設現場に携わる約70名の女性技術者が参加。「環境班」「キャリア班」「広報班」で活動しています。

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