特集

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2018年4月号 No.497

建設産業における女性活躍推進に向けた取組み

課題解決に向けたコンサルティング業務
女性活躍相談窓口の設置

女性の採用・活躍について関心のある建設企業の具体的な課題解決のために、専門家が無料で電話や訪問により相談に応じ、コンサルティングとして「建設業女性活躍相談窓口」を設置しました。

女性活躍相談窓口周知ポスター

相談内容(一部)
当社は従業員数8名の小規模事業所なのですが、このような企業における女性技術者の獲得方法を教えてください。

専門家からのアドバイス(一部)
小規模企業においては意思決定を迅速に行うことが可能です。就業規則等の改定や、関連の社内の各種規程を明確化することにより、社内制度等の利用がしやすい労働環境を形成できます。つまり、女性が働きやすい環境を整備する第一歩になります。

女性が入社しやすい社内環境を構築することは、男性社員にとっても働きやすい労働環境となり、相乗効果となって御社の人材獲得に有利な条件となっていきます。
このような取組みにより、同業他社との差別化が図られ、受注機会の改善・向上に繋がる可能性も高くなります。

 

相談内容(一部)
女性の採用をきっかけとして、女性の雇用及び活用のための一般事業主行動計画を策定したいのですが、関連する助成金の申請も含め、具体的な留意点を教えてください。

専門家からのアドバイス(一部)
女性活躍促進法に基づく一般事業主行動計画については、従業員数300名以下の法人においては努力目標とされていますが、策定に当たり、まずは御社における女性の活躍に関する状況把握や課題分析を行うことが必要です。
助成金については、「両立支援助成金」があります。これは職業生活と家庭生活の両立支援や女性の活躍推進に取組む事業主を対象として支給されるものですが、御社の場合、両立支援等助成金の6コース中、「女性活躍加速化コース」の利用に向けた準備を進めることができればと思います。
助成金の利用を契機として社内の働き方や活性化の良い機会としていただければと思います。女性が活躍できる働き方の見直しは、企業の生産性向上に与える効果が非常に大きいと考えられます。

 

相談内容(一部)
当社ではインテリアコーディネーターの女性を中途採用し、リフォーム現場の担当にしています。現場での評判も良く男性にはない目線などもあるため、良い効果が感じられるので積極的に女性の採用をしていきたいのですが、良い人材になかなか巡りあえません。具体的な手法について教えてください。

専門家からのアドバイス(一部)
ハローワークや自社のホームページにおいて募集を行っているということですが、昨今の雇用情勢からするとなかなか人が集まらない現状はわかります。また、工業高校等からの新卒採用については、ここ数年は極めて倍率が高いため、数年間の期間をもって学校との良好な関係を構築していかないと、難しいかもしれません。
現場の女性がSNSで発信するなどして、仕事の魅力や社風などを外に向けてPRするのはいかがでしょうか。また、自社のホームページにおいても、女性が興味を持ちそうなインテリアの仕事であることや体力的負担が少ない内容などを中心にPRしていくことも有効と思われます。
また、女性が活躍できる会社が整備すべき体制については、勤務条件や勤務の柔軟性などに加えて、事務職からの登用制度など、社員が部署や性別に関係なく力を発揮できる環境整備とその浸透が不可欠であると思います。

 

相談内容(一部)
今後の人材不足に対応するために女性技術者の採用を考えていますが、まずは何から準備したら良いのでしょうか。また、女性技術者をうまく育てていくためには、どのような教育等が必要になりますか。

専門家からのアドバイス(一部)
女性技術者を採用するということなので、社内あるいは作業所における専用施設等のハード面整備の準備が必要です。就業規則の見直し、産休制度や女性基幹職制度の導入などを併せて検討し、採用した女性が長く働いていけるためのソフト面の整備を行う必要があります。今までは男性だけだったとのことですので、管理者を中心とした男性従業者に対する教育も必要です。考え方を一から改めるつもりで取り組んでいただければと思います。 
会社の方針を定めたら、それを社外に対して発信していくことも重要です。 
教育については、採用した方の得手・不得手を見極めるために、ある一定期間は社内のローテーション等をしていろいろな仕事を経験させてください。工事だけでなく、いろいろな人とコミュニケーションを取ってヒアリングしてもらうことで、思いや悩みを把握することができます。 
男性と区別するのではなく、技術者として身につけるべきことを見える化して、一貫した教育を行ってください。 
「けんせつ小町」や「○○県建設女性の会」など、社外のネットワークに参加してもらうことで、同業他社で同じ仕事に従事する仲間ができますので、ぜひ参加させてください。また、ある程度女性の数が増えてきた段階になるとは思うのですが、社内横断的な女性だけの場を仕組みとして作ることも、女性活躍推進を加速化させる取組みとして非常に有効です。

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