特集
第三次・担い手3法の施行に向けて
大変革の時代にこそ新しい『技術と経営』を
谷脇:本日お話を伺いまして、改めて大きな変革の時代であると感じています。そういう中で最先端の取組や設備を導入するには、新たな投資も必要になります。地方の建設会社の皆様からは、「最先端についていくのが難しい」と言った声を聞くこともあります。そうした中でも生産性を上げ、人材を確保していかなければならない難しい局面に来ているというところですね。
平田:働き方改革や効率化、新技術の導入など、いずれの企業でも取り入れられるかというと難しい面はありますが、DXの流れ自体は不可避な状況です。企業ごとの体力・レベルに応じて、それぞれで取り組んでいくことが大切です。かつて、1990年代から2000年代頃にかけて、建設行政では“『技術と経営』に優れた企業が伸びる”と謳われていました。当時は、建設業の「経営」とは有利子負債の管理など財務マネジメントを中心に、不正を行わないコンプライアンスといった文脈で語られることが多かったと記憶しておりますが、今まさに新しい時代の建設業の『技術と経営』とは何かを考え、実行していく大変革の時代に来ているのではないでしょうか。そのキーワードとなるのはDX、そしてヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)であると考えています。これらは他のいずれの産業でも取り組んでいることですから、建設業においても当然注力しなければならないポイントです。
谷脇:そうした新しい時代の『技術と経営』に取り組む企業が伸びていく、そのタイミングに来ている大変革の時代ということですね。
最後に、建設業に携わる方や、入職を検討されている方へメッセージをお願いします。
平田:建設業は、日本の国土やまちをつくり、災害時には地域を守る重要産業であり、担い手にとって誇りとやりがいを感じられる職場であると考えています。 建設業が持続可能な産業となるうえでは担い手の確保が重要ですが、他方で、建設業には長時間労働や処遇面での課題もあります。建設業に従事される皆様が今後も将来を見通せるよう、国土交通省として、処遇改善や働き方改革などの取組の推進に向けた必要な施策を行っていきます。そのうえで、将来の担い手である若者に対して、建設業が持つ仕事としての魅力をもっと知ってもらえるよう、効果的な発信に努めていきます。 建設業が新4K──「給与がよく、休暇が取れ、希望が持てる」、そして「かっこいい」魅力的な産業となり、国民生活や社会経済を支える重要な役割を担い続けていただけるよう、引き続き業界の皆様と一体となって取り組んでいきたいと考えています。
谷脇:大変貴重なお話を伺うことができました。本日はありがとうございました。
平田:ありがとうございました。
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