特集
経営基盤整備支援センター(経営改善支援課・人材育成支援課)の取組
高校生向け出前授業「学校キャラバン」
建設産業人材確保・育成推進協議会では、平成26年度より建設業界・行政が一体となって小・中・高校を訪問し、生徒、保護者、教員に対し建設産業の社会的な役割やものづくりの素晴らしさを直接語りかけ、交流することを目的とした「学校キャラバン」を毎年開催しています。今年度は、新潟県立新発田南高等学校で開催しましたので、その概要や参加した生徒、関係者のインタビューなどについてご紹介します。
■ 学校キャラバン実施概要
日 時 :令和5年8月31日(木)12:45~16:00
開催校:新潟県立新発田南高等学校
参加者:同校土木工学科3年生(約40名)
授業風景
当日は37℃の猛暑の中、生徒さんたちは講師の説明を真剣な眼差しで聞き、普段学べない知識を吸収しようとする姿勢がうかがえました。こうした授業の風景をご紹介します。
『測量と施工の2役』杭ナビショベル体験
講師:(一社)北陸建設アカデミー
この「杭ナビ」は杭打ち位置のガイダンスを行い、“ワンマン測量作業”を可能とし、効率を上げることでICT施工の幅が広がります。
生徒さんたちは、従来の建機と杭ナビショベルの両方を操作し、初めて操作することに戸惑いながらも、精一杯、操作に慣れようと奮闘し、一人で測量から掘削まで可能とする技術の高さに驚いていました。
『職人が魅せる、日本の伝統技能』左官工 壁塗り体験
講師:新潟県左官業協同組合
「塗り壁」は日本古来から建築物に使われてきた、歴史のある建材です。
昔から、左官職人さんにより道具のこてを使って行われてきました。
漆喰、珪藻土はそれぞれに効果や効能があります。
生徒さんたちは、日本古来の技術を噛みしめながら、こての動かし方に苦労しつつも、少しずつ綺麗に壁塗りできる喜びを感じていました。
『見えない地中を分析・診断』地質調査 サウンディング体験
講師:(一社)新潟県地質調査業協会
地盤調査は建物を建てる前に、その地盤が建物の重さに耐えられるか等を確認するものです。主に従来の錘を付けて手動により貫入する方法と自動試験機により貫入する方法を学びました。
25kg等の錘を持ち貫入する方法を実践した後に、講師の自動試験機による実演を見た生徒さんたちは、その違いを肌で体感しました。
関係者の声
最後に、今回の学校キャラバンに携わった同校の先生、生徒さん及び講師の方の声をお届けします。
● 新潟県立新発田南高等学校 土木工学科 石黒 一馬 教諭
「実習内容には時間的、設備的な制限があるので、とても有意義でした。また多くの講師の方々とコミュニケーションを取る重要性を考え、今後1も連携授業は必要だと改めて実感しました」
● 新潟県立新発田南高等学校 土木工学科 生徒さんたち
「学校の授業では学ぶことのできない体験で、自分が職業選択する時に建設業を選ぶきっかけとなるような良い経験でした」
「壁塗り体験は難しかったものの、上手く塗ることができ嬉しかった」
「杭ナビショベルでは、三次元データでどこを掘ればいいか教えてくれるので、2人体制ではなく1人で出来ることに感銘を受けました」
「地盤やサウンディングの試験の記録方法についてもっと学びたいと思いました」
● (一社)北陸建設アカデミー 中山 智之 ディレクター
学校キャラバン実施にあたり、先生からのテーマは仕事を「体験」出来る事でした。そこでICT(杭ナビ)建機体験で従来建機と杭ナビ建機の違いを通して新たな取組みと変化、左官(壁塗り)体験を通して伝統技能の必要性を体験して戴きました。
生徒さんの真剣に取組む眼差しや上手く出来た時の笑顔が印象的でした。
今回の体験で建設業の技術・技能の必要性や習得の難しさ、ものづくりの楽しさ、魅力を感じて戴き、建設産業の担い手確保に繋がる活動になればと思います。
● (一社)新潟県地質調査業協会 小幡 季也 広報委員長
当日は猛暑の中、生徒さんが戸惑いながらも明るく元気に試験を体験してくれて嬉しかったです。
試験原理や試験機の自動化について少しわかってもらえたと思います。
日頃接する機会のない「地質調査業」ですが、土木・建設工事に重要な役割を担う職業です。関心を持ってもらい、将来「地質エンジニア」として活躍して欲しいです。
本機会をご紹介くださった石黒先生、準備調整をご担当いただいた関係機関の皆様に感謝をいたします。
新潟県立新発田南高等学校 〒957-8567 新潟県新発田市大栄町3-6-6
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