特集

特集
2023年5月号 No.548

事業承継

Ⅴ 事業承継の基本的な進め方

それではここからは事業承継の進め方について検討しましょう。

まず現状把握からスタートしてください。それが完了した後に事業承継における課題を抽出しましょう。ここでは時間をかけて「現状の把握」を行い、自身の事業承継において、どのような課題があるのか、「課題の抽出」を行うことが大切です。

次に基本方針を策定して、「事業承継計画」の作成を行ってください。

基本方針で決定する内容については、下図のような事項を検討すると良いでしょう。また、事業承継計画書の白紙の例(右図)を示しますので、これを基にご自身の家族構成に合わせて作成してください。

この事業承継計画書の作成にあたっては、分かっているつもりでも、再度、事業の現状をしっかりと確認してください。計画は「義務」ではなくあくまでも「予定」ですが、ご自分が納得するまで時間をかけて検討しましょう。

事業承継計画は、一度で完璧なものを作るのではなく、何回も状況の変化に応じて修正することが重要です。



さいごに(事業承継についての基本的な心構え)

事業承継で大切な心構えは、「あわてず、あせらず、あきらめず」ということです。

❶「あわてず」:
病などの不測の事態に慌てることなく、早いうちから事業承継の準備を行いましょう。

❷「あせらず」:
後継者への教育などは焦らず、すぐに解決できない課題も長い目を持って向き合っていきましょう。

❸「あきらめず」:
事業承継での経営上、法律上、税務上、金融上などの様々な課題にも最後まで諦めずに取組んでいきましょう。

私は皆様がご苦労の上築き上げた「事業」の承継が円滑かつ円満に行われることを心からお祈り申し上げます。

 

【冊子PDFはこちら

1 2 3 4 5

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
アンケート募集中
メールマガジン配信希望はこちら