特集
事業承継
Ⅳ 経営者目線での「困った後継者ベスト3」
経営者目線での困った後継者というのは大体共通しております。「経営者としての資質」に問題がある後継者です。
例えば後継者以外の推定相続人から理解や支持を受けられない後継者、社内や社外から拒否反応をされている後継者などが該当します。俗に、後継者に対する利害関係者のアレルギー反応です。
また、私への相談内容として、「せっかく先生に事業承継計画を作っていただいても、私は息子が社長の器にならなければ経営を譲ることはできません。一体、社長の座を譲るタイミングはいつにすれば良いのでしょうか。アドバイスをください。」と言われることがよくあります。
その際、私は「後継者を社長にするタイミングは、経営者であるあなた自身が決めることです。あなた自身の判断で決めてください。」と伝えています。そして一案として、「決算後の定時株主総会の2週間前に後継者に対する通信簿をつけ、その結果が経営者からみて合格点に達した時に社長職を譲る」というご提案をしています。つまり、後継者に対する社長考課表のようなものです。一例を下図に示しますのでご参考ください。
経営者目線での「困った後継者ベスト3」
1 経営者としての資質に問題がある後継者
やる気はあるのだけれど、人脈や経営力がいまいちで、まだまだ苦労が足りないように思います。
もう少し自分が経営者教育を行いたいと思います。
2 家族の理解や支持を受けられない後継者
後継者の兄弟姉妹と仲が悪いのが心配です。私が死んだ後に「争族」にならないかと気をもんでいます。
3 社内・社外から拒否反応がでている後継者
社内の技術者や取引先から後継者を社長にしたら、会社や取引をやめるという動きがあるような状況では事業を譲れません。