特集

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2022年7・8月号 No.540

厚生労働省 就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業

▶︎ 訓練の受講は現在の業務に活かされていますか?

【原】現場や工事に関する実践的な内容や現場毎に異なる細かな知識や情報は、入社後半年ほどかけて徐々につかんでいったのですが、そのベースとなる部分を訓練を通して学べたことは大きかったです。今でも復習として、当時のテキストを読み返すことがあります。

【佐伯】建設業は対象となる現場も様々、扱う機材ひとつをとっても非常に幅が広く、短期間ですべてを身につけられるものではありません。だからこそ大切なのは、建設業の基礎となる部分を広く学んでおくこと。特に原さんのように異業種を経てきた方には、まずは訓練を通して建設業の魅力そのものを感じてもらいたいです。

 

▶︎ 今後の展望を教えてください。

【原】建設ディレクターの存在が知られるようになり、建設ディレクターとしての業務も明確化されつつある中、存在価値を高められるよう、社内での建設ディレクター間の連携や組織化を図っていきたいです。また、周りの人だけでなく、別の企業で頑張っている建設ディレクターなども含めて交流を持ち、情報共有の機会や心の支えとなるつながりをつくっていけたらと思います。

【佐伯】建設ディレクターは、建設業の課題である長時間労働是正の切り札といえる存在です。原さんにはそのロールモデルとして、ますます活躍の場を広げてほしいと思っています。また原さんのように、つちかってきたスキルやそれぞれの人柄が様々な会社にマッチすることで、建設ディレクターの可能性はさらに広がっていくものと感じています。より多くの担い手が生まれるよう、働きかけていきたいですね。

 

▶︎ 訓練の受講を検討されている方にメッセージをお願いします。

【原】訓練カリキュラムの中で講師の方々が常におっしゃっていたのは、『建設業って本当に面白いんです』ということでした。建設ディレクターは、ものづくりを支えることで人にも社会にも貢献できる大変意義のある仕事。ぜひ同世代の方にも積極的にチャレンジしてほしいです。

【佐伯】かつては“男社会”という面が強かった建設業も、今ではICT化が加速し、多様な人々により成り立つ業界へ変貌しようと励んでいます。しかしまだ旧来のイメージも強く、担い手は大いに不足しています。就職氷河期世代の方も含め、男女を問わず、これまでの職歴を問わず、誰しもに活躍のチャンスがあるのが今の建設業界。まずは一歩足を踏み出し、建設業の扉を叩いてみてほしいです。

▲ 「現場の人間も頼りにする存在。原さんのような人をもっと増やしたい」と佐伯さん

令和4年6月 京都府内で取材

 

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