特集

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2022年7・8月号 No.540

厚生労働省 就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業

Ⅲ  取組事例の紹介 (リフォーム入門コース)

一般社団法人けんちくけんせつ女学校内に設置された地方拠点では、令和3年10月4日~11月2日までの20日間、第1回リフォーム入門コースを実施しました。訓練を修了し正社員として有限会社ゼムケンサービスへ入社した松尾美幸さんの声や訓練カリキュラム、就職支援の取組みをご紹介します。

入社して約半年がたちました。現在はデザイン工事部に所属し、工事現場に必要な書類や道具の準備、見積りの作成、原価表の入力、現場調査など施工管理に関する様々な業務を上司の現場監督のもと行っています。

求職活動中、偶然目にしたバナー広告で訓練がある事を知りました。心の底にあった建設業への憧れを思い出し勢いで応募しました。

受講中は専門用語が分からず、オンラインでの講義中は常にスマホで用語を調べながら授業についていきました。また、様々な経歴を持った受講生の皆さんとお互い鼓舞しあいながら学べたのが良かったと思っています。

訓練を受けたことで、細かく細分化された業種について、就職活動の段階で理解ができていたので、自分がやりたい業種の会社を選ぶことができました。また、実際の業務に基づいて授業が行われているため、就職先で授業とは違うソフトを使っても、ひととおりの考え方に触れていることで、業務を早く理解することができます。

実際に現場に入り、多くの職人さんの手によって一つの建物が完成していく様子を見ていると、自分の知識の無さを痛感してしまいます。職人さんの作業がしやすくなる様、次の工程を考えながら準備をしたり、現場をキレイに保つなど、今の私にできることから取り組んでいます。やりがいを感じるのは、職人さんやお客様に「ありがとう」と言われた時です。知識や経験を積み上げ、今より1つでも多く、期待に応えるようになろう!と気合が入ります。

何年もかかると思いますが、業者さんとお客様の懸け橋となり施工中も施工後もみんなが笑顔で過ごせる場を作る、きっちり一人で施工管理が出来る様になる事が今の目標です。

女性の多い職場に入社したので、建設業のイメージが180度変わりました。まだまだ男性社会だとは思いますが、女性たちが頑張っている現実を知り、他の業種のように、能力がある方や、やりたいと感じている方がどんどん参入できる業界になってほしいと思います。

▲ 仕事風景

建設業未経験者でもキャリアを描きやすいカリキュラム

「リフォーム入門コース」は、建設業未経験から、リフォームの営業や施工管理の仕事を目指す方向けのコースで、正社員就職までをサポートします。

訓練では写真管理や原価管理に特化した当校認定資格を取得できる他、建設業の5大管理の基礎や、CADに加え営業時のコミュニケーションを学んでいただきます。また現場見学や会社説明会などを通じて現場の生の声を聞くことができるので、建設業未経験者でも建築リフォームの技術職でキャリアを描くことができるカリキュラムとなっています。

リフォーム業・建設業は、暮らしや環境をつくる仕事のため自身の生活体験を活かすことができます。難しいこともありますが仲間ができてやり抜く喜びがあることを訓練を通して伝えています。

松尾美幸さんは、建設業の経験がありませんでしたが、前職で店長経験もあり、訓練中から興味のある事や知らない事は本を買って調べたりと積極的に訓練に取り組まれていたことから、当社へ入社していただくことになりました。

現在、施工管理として職人さんとの打合せ、見積書や資料の作成などを行い現場でも良い雰囲気を作り出しています。

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