働き方改革の定着に向けて
これからの目指すべき組織とは?
1.働き方改革は経営戦略
いよいよ建設業の上限規制まであと1年となりました。多くの企業において、時間管理がスタートし、効率化のための様々な取組をされているかと思います。しかしながら、効率化や業務改善が進んだことで、働く人にとって本当に働きやすい職場になったのでしょうか?効率化により一定の残業は減ったが従業員の方が疲弊をしたり、忙しくしているのに、企業としての利益が上がっていないということはないでしょうか?働き方改革は単なる労働法の改正ではありません。企業としてやるべき方向を見据え、その上でやることとやらないことを決定し、本来やるべきことに時間を集中させ、生産性をあげていくことが働き方改革なのです。要は、働き方改革というのは企業の方向性を決めていく経営戦略なのです。
2.「目標」と「目的」の違い
会社として本来やるべきことを考えていくためには、何が目的なのか?何が手段なのか?ということを整理する必要があります。目的とは最終的に到達したいゴールのことをいい、目標とは、目的である最終ゴールにむけて、その間に設定されていく小さな指標のことをいいます。今回の働き方改革において労働時間削減のための効率化等は目標であり、目的ではありません。ここで改めて自社の企業の目標は何かを考えていきましょう。
建設業界全体でいうと、働き方改革、建設キャリアアップシステム等やらなくてはいけないことがたくさんあります。ただこれは目的ではありません。建設業だけではなく、日本の少子高齢化により働き手が少なくなっている中、建設業の担い手不足を解消し、若年者を建設業に入職をしてもらうことがこの業界の目的です。であれば他産業なみの保険加入、労働時間の削減、週休2日制の導入といったことをしていかなくてはいけないということです。目的は「担い手確保」であって、目的を達成するための手段、目標として働き方改革やキャリアアップシステム等を位置づけていくことになるのです。
3.私達がこれからすべきこと
前号まで、働き方改革を推進していくためにいろいろな取り組みについてご説明をしていきました。1つ1つの取り組みは小さなことかもしれません。しかしながら会社には、それぞれ歴史があり、いろいろなことが積み重なって今があります。それが会社の風土となっているのです。働き方を変えるということは自分の生活スタイルを変えることですから、頭で理解しても行動を変えるのは難しいものです。ただ小さな積み重ねをすることが習慣化し、意識も変わるのです。働き方改革に画期的な方法はありません。しかしながら1つ1つの取り組みを積み重ねることで必ず変わってきます。目的を見失わず、1つ1つ大事に取り組んでいきましょう。働き方改革は労働環境改善のチャンスの時期です。労働環境改善をし、従業員への還元という好循環をまわしていきましょう。
まとめ
丸山社長
- なるほど。改めて、みんなと会社の進むべき方向を話しあってみようと思います。
鈴木課長
- 社長、私もみんなに『早く帰れ』とばかり話してきましたが、何のためなのかを考えてみようと思います。
櫻井先生
- そうですね。働き方改革は社内環境を変える絶好のチャンスなんです。是非、みなさんで話をしてみてください。
木村くん
- 僕は、社長も仲間も好きだからこの会社でずっと働きたいです。みんなが、働きやすい環境って何か考えてみます!!
丸山社長
- 木村くん、ありがとう。
櫻井先生
- みなさん、まだまだこれからですから頑張っていきましょう!!
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