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2020年7・8月号 No.520

富士教育訓練センターの再開と今後の教育について

 

富士教育
訓練センター校長
小松原 学

 

 

 

日頃より、富士教育訓練センター(以下センター)の教育訓練活動にご理解ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

国内において新型コロナウイルスに感染した事例が相次いで報告されている中、当センターにおいても4月より休校としておりました。

しかしながら、緊急非常事態や東京アラートの解除といった状況、規制から緩和へと向かう背景からセンターとしても6月29日より再開いたしました。まだまだ収束したとは言えず、今後は第2波・第3波があるのではと懸念されるところではあります。このため、再開するにあたり、当然のことながら訓練生、講師、職員、関連業者等への感染防止に努めることが重要と考えております。

センター独自の「運用ガイドライン」を作成・公開しておりますが、従来とは違うセンターでの過ごし方、利用方法となり皆様には大変ご不便をお掛け致しますが、これをセンターの「新しい生活様式」としてご理解・ご協力を賜りたくお願い申し上げます。
センターは創設以来、技能職を対象とした技能習得、職業訓練を行う場でありましたが、2009年より大手総合建設業が新入社員教育の場として参入し、現在では年間20社を超える総合建設業がセンターを利用しています。

こうした中で技能者との共同生活を通じて若手技術者から、「技能者に対して尊敬の念を抱くようになった」「技能者が安全で働きやすい環境を作るのが技術者の役割だ」といった意見が研修報告書で散見されるようになりました。技能者と技術者が言い換えれば、専門工事業と総合建設業が両輪になって建設業を盛り上げていくこと、そしてセンターの校是でもある「ものづくりは人づくりから」を実感しております。

また、大学・専門学校・高等学校等の学生・生徒を受け入れ就職前準備研修にも注力しており、将来を担う建設従事者の卵の育成にも取り組んでおります。しかしながら、教育機関の学科名から「土木」「建築」が消え、「環境」「エンジニアリング」が台頭し、時代の変化も感じています。

センターにおいても、施設がリニューアルされたことを契機に「土木」「建築」「技能者」「技術者」の枠に縛られることなく、次世代の建設業界を展望しつつ、参入企業の見直し、研修メニューの多様化、講師陣の強化など、新規参入企業や技能者・技術者にとってもマーケットインとなるような教育体系と環境を整備します。

特に、コロナウイルス感染症の流行により働き方が様変わりしようとしている今、職業訓練「ひとを育てる教育」の在り方も変わっていくことだろうと思います。今後は、座学はリモート教育や出前講座を中心に行うこととする一方、実学についてはこのセンターに来所しなければ決して身に着けることのできないような、これまで以上に高い付加価値を持った教育訓練の実現が肝要です。それには、送り出し企業・団体・学校とのより綿密な連携が重要で、本年実施できなかった企業様との情報共有を行い、比較検証をしながら再構築することが、センターの行く末を明るいものへと導いて行くのではと考えます。

 

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