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2020年3月号 No.516

建設工事標準請負契約約款の改正について

1.はじめに

平成29年の第193回国会(常会)において、「民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)」が成立し、明治の民法制定以来およそ120年ぶりに民法の債権関係部分について全般的な改正が行われた。

これを受け、平成30年8月6日に開催された中央建設業審議会において、中央建設業審議会に建設工事標準請負契約約款改正ワーキンググループを設置することが決定された。平成31年4月より建設工事標準請負契約約款の改正について計5回にわたって審議が行われ、その改正案がとりまとめられた。この改正案について、令和元年12月13日の中央建設業審議会において審議が行われ、建設工事標準請負契約約款の改正を決定、同月20日にその実施が勧告されたところである。

なお、令和元年6月に建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第30号)が成立したことを踏まえ、この改正法の内容についても約款に反映している。

本稿においては、主な約款改正の内容について解説する。

なお、今回の約款の改正の経緯や改正民法下における本約款の譲渡制限特約や担保期間に係る考え方については、国交省のHPで資料や議事録を公開しているので参照されたい。

HP http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000092.html

2.主な改正内容について

(1)契約書の記載事項について

令和2年10月より施行される改正建設業法において、工事を施工しない日又は工事を施工しない時間帯を定める場合はその内容を契約書に記載することとされたことから、約款においても契約書部分に「工事を施工しない日又は工事を施工しない時間帯」を追加した。

(2)譲渡制限特約について

①民法の改正内容
債権譲渡による資金調達は、特に中小企業の資金調達手段として注目されているところであるが、旧民法では、譲渡制限特約が付された債権の譲渡は無効であり、円滑な資金調達を阻害していることが指摘されていた。このため、今回の民法の改正により、譲渡制限特約が付されている場合であっても、これによって債権の譲渡の効力は妨げられないとされた。

このように、譲渡制限特約が付された債権を譲渡した場合であっても、その譲渡は有効とする一方、譲渡制限特約を付する一般的な理由とされる弁済の相手方を固定するという債務者の利益にも配慮を行なっている。すなわち、債権の譲受人が譲渡制限特約に悪意又は重過失であるときは、債務者は譲受人に対する債務の履行を拒否することができ、また譲渡制限特約が付された債権が譲渡されたときは、その債権に相当する金額を供託することができる(改正民法第466条の2第1項)こととし、弁済の相手を誤ることを防止する措置を講じている。

②公共約款の改正内容
建設工事における発注者の工事完成の期待を担保する必要があること、多くの公共工事では前金払や部分払等の資金調達手段が確保されていることなどを踏まえ、公共約款では以下のとおり改正民法下でも譲渡制限特約を維持した上で、請負代金債権の譲渡を契約の解除事由として新たに規定している。

まず、「受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。」とするこれまでの譲渡制限特約を改正民法下でも引き続き維持している。その上で、「受注者が前払金の使用や部分払等によってもなおこの契約の目的物に係る工事の施工に必要な資金が不足することを疎明したときは、発注者は、特段の理由がある場合を除き、受注者の請負代金債権の譲渡について、第1項ただし書の承諾をしなければならない」こと、「受注者は、前項の規定により、第1項ただし書の承諾を受けた場合は、請負代金債権の譲渡により得た資金をこの契約の目的物に係る工事の施工以外に使用してはならず、またその使途を疎明する書類を発注者に提出しなければならない」ことを規定した。この2つの規定は、使用する場合と使用しない場合を選択することができるが、前金払や部分払により工事の施工を進めるのに十分な資金が供給されていると判断される場合であれば、この2つの規定は削除して利用することで差し支えないものと考えられる。

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