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2019年11月号 No.512

しんこうTODAY 建築・土木技能体験フェア「技フェスタ」開催

 未来を繋ぐ               

 富士島建設㈱

 小野 知恵さん

 

 


受賞者のコメント

2年前の春にご縁があり、富士島建設(株)に転職しました。以前は、製造業の会社で経理を担当していたため、建設業についての知識はほとんどなく、当初は専門用語に苦労しました。3年目を迎えた今年、今しか感じられない想いをたくさんの人に伝えたいと思い、今回のコンクールに応募しました。まさか大臣賞を頂けるとは想像もしていなかったので、まさに青天の霹靂で身に余る光栄です。私はこの業界の一員となり、たくさんの優しさに触れました。我が社の社員を見ても、大変な状況で働いているにもかかわらず、本当に皆さん優しいのです。それは、きっと、働いている人が仕事に誇りをもっており、人間性が豊かだからではないでしょうか。このような産業は、他にはないと思います。そんな魅力ある建設業をもっと多くの方に知ってもらいたいです。


「お疲れ様です」今まで約二十年弱に渡る社会人生活の中で、何度となく掛け合ってきた言葉だ。しかし、この二年間、今の建設会社に従事するようになってから発するこの言葉は、今までとちょっと意味合い、重みが違うように感じる。

二年前の春、私は長年勤めてきた製造業の経理という職種から、全く畑違いといってもいい建設業の営業事務へ転職した。最初は全く分からないことだらけ、正直建設業と建築業の違いも分からず入社した。日々飛び交う業界用語も、契約書類に出てくる単語も、長い社会人生活の中で、いや人生の中でも触れたことがないような事も多く、困惑することも多かった。「床固め」を‘ゆかがため’と読んだり、「谷止工」を‘やしこう’と読んだり、仕舞いには「堰堤工事」と聞いた際に、保育園の園庭工事をするものだと勘違いし、上司を失笑させ、唖然を通り越して茫然とさせる事も多々あった。今、冷静に思い出してみると顔から火が出そうな程恥ずかしい。しかし、そう思えるようになったのも、この二年間で建設業従事者として仕事を理解し、成長した証しなのではないか、と今は前向きに過去を振り返ることが出来る。

私の仕事は、契約管理や下請業者への発注業務、書類の管理などだ。暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も、時には死と隣合わせになるような危険な環境、いわゆる「3K」と言われる中で作業をしている男性社員とは違う。だからこそ、私はいつも大切にしている事がある。「お疲れ様です」の言葉だ。いつも「暑い、寒いといった大変な環境の中で」という気持ちを込めて「お疲れ様です」と言うように心がけている。返ってくる言葉はそっけなかったりすることもあるけれど、きっとどこかで気持ちは伝わっているものだと思っている。

我が社の社員は皆、気遣いや思いやりに溢れている。そして優しい。取引先の下請け業者の人も、皆そうだ。毎日辛いことも沢山あるだろうに、どうしてこんなにみんな、人に優しいのだろう、とふと考えてみた。

私が思うには、建設業に従事している「誇り」が働く人の人間性を豊かにしているのではないかということだ。地域の住民の為に役に立つ仕事、そこで生活する人を守る仕事、未然に災害を防ぐ仕事、そうした「誇り」ある仕事に従事することで、人間性が育まれ、過酷な環境で自らが作業をすることで人の痛みが分かる人間になり、そうして個々が成長し、会社としての輪が作られる。会社同士の輪が結びつき、建設業としての輪が大きくなる。そして業界全体がチームのような形で動いている。だからチームの一員として接してくれるのではないだろうか、と。

一年の大半、私は工務の社屋に独りだ。時々帰ってくる社員に「お帰りなさい」と言うと笑顔で「ただいま」と返してくれる。そしてまた「ごきげんよう」と言って出ていく。何だかふと、遠洋漁業に出る漁師の妻の気持ちはこんな感じなのだろうか、と思うことがある。とにかく無事で、早く、且つ大漁を願って…何となく似ている。

私は今、我が社で働く社員同様、ここで働いていることを誇りに思っている。「お母さんの働く会社はね、お母さんの仕事はね、地域や社会の役に立っているのよ」と子どもたちに胸を張って言える。直接的に私が何かを創れるわけでないけれど、チームの一員として動いている自負はある。

「いつまでも守りたい笑顔と遺したい景色のために」私はこれからも、今自分に出来ることに真っ直ぐに取り組んでいき、未来に繋げていきたい。そして、もっともっと多くの人にこの建設業の魅力を知ってもらいたい。そうすることでチームの輪は、さらに大きく揺るぎのないものになるはずだから。

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