FOCUS

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2022年2月 No.535

土木の魅力発信に教員歴の長短は関係なし!同じ熱意をもち取り組むことが生徒のために

協会・企業と協力した体験プログラムを開発したい

―業界就職率が高いですが、進路指導の根幹にはどのような想いがありますか?

山下先生:社会に出たときに、単なる人手としての「人在」ではなく、所属する組織にとって欠かせない存在である「人財」として活躍できる人に成長してほしいなと思っています。それを実現するために導入したのが、「玉工手帳」と「7つの習慣」です。勉強、部活動に加えて、資格取得や地域貢献などを同時に段取りよく進める力を養うために手帳を活用し、自身が成長し続けるための習慣を身につけてもらいたいですね。

手嶋先生:手帳を活用できれば、頑張りポイントやへこみポイントを見える化できますしね。

谷川先生:教師にとっても、「工業人たる前に良き人間たれ」という大きなゴールに対して、山下先生が7つの習慣を整理してくださったことで、ひとつ柱を得られましたよ。

手嶋先生:教育現場は狭く限られた世界だから、実社会とかけ離れた部分が生じかねない。でも、7つの習慣や手帳の活用は、そうならないよう正すツールになったと思います。

山下先生:実社会とのつながりという意味では、地元の建設業協会や企業の方にも理解をいただいて、現場見学会やインターンシップ、課題研究でも協力いただけているのが心強い!
私が担当している校内整備の授業では、道路舗装会社に協力を得て校内駐車場の白線引きや砂利地の舗装をしています。本格的な重機を駆使しながら、暗黙の了解で手際よく作業を進めていく職人の姿をみて、生徒たちの業界関心度も急上昇しています。

谷川先生:ほんの数日で、砂利だったところがアスファルトになっていくのが分かりやすい。完成までを見られることに、ものすごく意義を感じます。だから今、企業の方には「取りかかりから完成までを見せられる体験プログラムを一緒につくりませんか」と提案しているんですよね。

手嶋先生:学習指導要領との兼ね合いもあって、簡単ではありませんが(笑)。協会や企業の方に寄り添っていただき、玉名の建設業界全体で子どもたちを「人財」に育てようと取り組めるのはありがたいことです。今後もさらに強化していきたいですね。

玉工手帳
PLAN(計画)・DO(実行)・SEE(改善)を見える化できる「玉工手帳」。
卒業生からは、「社会人になって玉工手帳で取り組んでいたメモを取る大切さを実感した」との声も

7つの習慣
昨今のコロナ禍の影響で、生徒が機会やきっかけを失うことなく目指す成長を遂げられるよう、
山下先生が整理した「7つの習慣」

「玉工だけではなく、県下全体の土木科が向上していくように働きかけたい」と意気込む3人。
2級土木施工管理技士学科試験の指導マニュアルを他校土木科と共有するなど、
切磋琢磨しながら業界を盛り上げている

 

 

熊本県立玉名工業高等学校

〒869-0295 熊本県玉名市岱明町下前原368
WEB: https://sh.higo.ed.jp/tamanath/

 

◎本誌記事の無断転載を固く禁じます。

 

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