FOCUS
部活動の活躍が生徒たちの絶好の刺激に! 苦手から目を背けず、 真摯に取り組む雰囲気を醸成
苦手なことから目を背けない部活動の力が勉学にも好影響
部活動が非常に盛んなことも、同校の特徴のひとつ。運動部では、サッカー部は県大会ベスト4の強豪校、レスリング部は全国大会出場の常連校だ。文化部に関しても、機械土木研究部はものづくりコンテスト測量部門で全国優勝、電気技術部は「WRO」という国際的なロボットコンテストで世界1位を収めるほど。これらの優秀な成績に憧れて同校進学を希望する中学生も多く、2020年度の機械土木工学科の志望倍率は愛媛県下で1番と非常に人気が高い。
「部活動の生徒たちは、朝の7時くらいからほぼ毎日のようにトレーニングをしており、陸上部に交じって野球部が走っているなど、切磋琢磨している姿が見られます。また、部活動に熱を入れながらも、勉強にも熱心です。中には興味がない教科があったり、苦手なものがあったりします。それでも数学の小テストの前には必死に勉強して、分からなかったら私のところに聞きに来ることも。苦手なことから目を背けず、頑張ってやっていこうとする、まじめな子が多いのが、当校の生徒の最大の特徴です」
こうした部活動を頑張る生徒たちが、学校を引っ張っていることを実感するという山内先生。
「全校朝礼などで大会やコンテストの成績を発表することで、部活動に入っていない子たちもすごく刺激になっているんじゃないかと思っています。『自分も頑張ってやったらできるんじゃないか』と自信になったり、自分の学校に誇りが持てたり。そういう雰囲気が学校全体にあるのは、部活動の力が大きいのだと思います」
学校裏のお四国山にて実施した「お四国山水準測量大会」(左)と、「校内トラバース測量大会」(右)の様子。コロナ禍で行事や各種大会が中止になる中、「生徒たちに技術や技能、創意工夫をする能力の向上、さらには高校生活の思い出作りをさせてあげたかった。無事実施することができて本当に良かったです」と山内先生
生徒の自主的な行動を促す「Good/Bad/Next」の指導法
「基本的には、生徒は褒めて育てたい」という山内先生は、「Good/Bad/Next」というキーワードを大切に指導に当たっているという。これは生徒の「Good」、いいところをまずは探して伝えることからはじめ、次に「ここがダメだったね」「ここはこうしたらいいな」という「Bad」の部分を伝える。それを踏まえたうえで生徒の良さを活かしながら失敗をどう解決していくか、自分自身で考えて「Next≒目標」につなげられるよう促す指導。
「まずは生徒自身が、『やってみよう』と思うことが第一です。「自分はこうなりたい!」と言えるような目標を一緒に探し、それを実現するために、しっかりとサポートしていきたいなと思っています」
高校を卒業して社会に出るまでの間に、生徒には大人に促される前に考え、行動できる人材になってほしいという山内先生は、その達成度をレベル分けして示している。
「高校生は、指示されたことをしっかりとできることが絶対要件であり、これが基準のレベル3です。指示された以上のことができればレベル4、指示される前に動くことができたらレベル5です。卒業までには、全員をレベル3に導くことが私たち教員の責任です。それ以上に育成していこうと思ったら、生徒自身が目標なり、こうなりたいというビジョンを持っていなければなかなか難しい。そう言った意味でも、『Next』を自分で考えさせるのは、とても大事なことだと思っています」
来島海峡大橋
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