FOCUS

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2018年7・8月号 No.500

県外に流出する若者を県内の建設業に!!地元建設業の魅力を高校生に直接伝える

鹿児島県建設業協会は平成29年度より「就活応援キャラバン高校別企業ガイダンス」を開催。参加企業は、就職活動解禁日前の6月に鹿児島県内の工業高校等を訪問し、自社の実績や専門技術などを説明し、県内の建設業の魅力を伝えています。この試みを始めた目的や今年6月に行われたキャラバンの様子をご紹介します。

鹿児島県建設業協会参与 兼 人材育成対策室長 加世田 登 氏に聞く
県内にたくさんの建設企業があることを知らない。生徒や先生に向けまずはその周知から

当協会における喫緊の課題は、若者の県内建設企業への就職内定率を高めることでした。それまで、毎年2月と8月には就職合同説明会を行って来ましたが、20名くらいしか訪れず効率が良くなかった。しかし少ないながらも来ていただいた出席者のアンケートを見ると「鹿児島県にもこんな企業があったんだ」という声を多数見かけ、建設業界のことを認識してもらっていなかったことがわかったのです。生徒が知らないということは当然、高校の先生たちも建設業界をご存じない。ご存じないから、地元の企業を自信もって勧めづらいのでしょう。この悪循環を改善するため、我々が高校へ出向き、「鹿児島県内にもたくさんの企業があるんだ」ということを知ってもらおうと思ったのです。
キャラバンは7月の就職活動解禁日前の6月に行い、今年度は8校回ります。授業時間の2〜3時限をいただき、出席人数や会場によって、質疑応答方式、出展ブース形式などで対応しています。参加企業については、就職後のミスマッチを防ぎたいという思いで、建築・土木工事業だけでなく、測量設計コンサルタント業や専門工事業の方にも幅広く声かけし、できるだけさまざまな企業を紹介するようにしています。昨年度は40社の参加でしたが、今年度は55社に増えました。高校ごとに行く企業を割り振り、訪問した高校には必ず求人票を出すことを条件にしているんです。学校側からは「生徒が進路のことを真剣に考えるようになった」とのお声をいただき、少しずつでも浸透してきているのではないでしょうか。
今は、ただ待っているだけでは人はなかなかやって来ません。来年度もこのキャラバンを続け、県内の高校生に地元企業の魅力を知ってもらおうと考えています。

参加企業の感想


コーアツ工業株式会社
管理部 管理課 総務係 係長 西村 誠さん

昨年に引き続いて参加しました。前回は事務局側が考えていた企業への質問を、生徒自らが考えたものに変更するなど、前回よりも企画内容がブラッシュアップされたことを感じます。生徒、企業がお互いの考えを知ることができるところが良いですね。


株式会社堀之内工務店
総務部 部長 越智 友仁さん

弊社は型枠大工ですが、初めてその言葉を知るという生徒さんも多く、業務内容を知ってもらえるのはありがたいことです。若い担い手が県外企業に多く就職していく状況のなか、県内企業がまとまって自分たちをアピールできる機会は非常にありがたいです。


ヤマグチ株式会社
専務取締役 山口 秀典さん

生徒たちは非常に真剣に私たちの言葉を聞いてくれます。会社の事業内容、理念、そしてカラーをしっかりと伝えると、それをしっかりと受け止め自分たちなりに考えてくれる。今後もキャラバンに参加して、根気強く私たちの活動を伝え続けたいと思っています。


有限会社平組
代表取締役 平峰 恒成さん

キャラバンに出席した生徒がすぐに弊社を志望するとは考えていません。建設業にはさまざまな業種がありそのなかの一つにとび職がある、足場工事がある、そのことを知ってもらいたい。選択肢が広がれば生徒たちの可能性も広がると考えています。

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