FOCUS

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2023年3月号 No.546

明日の建設業を担う人材がここから!ひたむきな生徒を一丸となって支える想い

地域や社会に貢献する人材を
育てる喜び

卒業後、即戦力として地域や社会に貢献できるということが工業高校で学ぶ大きな魅力と話す藤井先生。生徒たちの活躍を支えるため、2級土木施工管理技術検定(第一次検定)や測量士補など資格取得のサポートにも積極的だ。

「私が担当する土木施工の授業では、教科書をベースに授業を進めつつ、資格試験に関連する箇所では過去問を出したり、わかりづらい部分は実習で補うなど、周りの先生と分担しながら生徒をバックアップしています。生徒自身もひたむきに取り組んでくれるから、そうした頑張りが高い合格率にもつながっています」

先生自身もまた、そうした生徒たちを育てる意義の大きさを感じている。

「私たちの生活を支えている道路や橋、あらゆるものは、すべて土木から成り立っています。また大きな災害からも守ってくれるなど、目に見えて地域に貢献できることが建設業の醍醐味。そうした分野を担っていく生徒の育成に携わりながら、自分の持っているものを伝えていくことができるのは、教員としての大きな喜びであり魅力ですね」

教科書とあわせて、自作のスライド資料や撮影写真、収集した動画なども用いながら授業を進める藤井先生。
「土木・建築科の授業は用語や工法など覚えるべきことが多いですが、実感が伴わないと記憶にも定着しづらいもの。
理解しやすく、興味や関心も深まるよう工夫を凝らしながら、生徒の学びを支えていきたいです」

常に考え挑み続ければ
自ずと道が見えてくる!

土木・建築科の教員として、また野球部の監督として、日々生徒に向き合う藤井先生。生徒たちには、学校生活や部活動を通して自ら考えて行動できる主体性を身につけてもらいたいと考えているそう。

「こちらから1から10まですべてやるのではなく、生徒が自分たちで考え行動できる力を養っていくことが大切だと感じています。たとえば野球部では、生徒たち自身に練習メニューを考えさせることで、自分たちで決めたことに取り組み続ける力や、課題を見つめ直して改善していける力を培うようにしています。またそうした主体性とともに大切なのが、周りの人間と協力していくコミュニケーション力です。社会に出れば、様々な世代の人と接する機会が増えるもの。そうした人々とコミュニケーションを図りながら仕事ができる力を、今のうちに身につけてくれたらと思います」

漠然とした将来に悩みがちな年ごろでもある生徒たち。そんな生徒たちに対しては“意志あるところ道は開ける”という力強い言葉を贈る。

「迷うことも多いでしょうが、自分がどうなりたいかを常に考えながら努力を続ければ、道は自ずと開くもの。壁にぶつかってもあきらめず、何事にもチャレンジをし続けてほしいと思います」

藤井先生もまた、生徒を育む様々なチャレンジを続けている。

「今後は授業や実習の中にドローンを積極的に取り入れていきたいと考えています。ただ飛ばして終わりではなく、ソフトウェアに落としてデータとして抽出し、図面に起こすといったことにも挑んでいきたいですね。もちろん、野球部の甲子園出場も大きな目標です!」

自身の力や経験を、生徒の成長と建設業の発展につなげていきたい──そんな熱い想いが、藤井先生を動かし続ける。

コンクリートカヌー大会で毎年のように好成績を収めるなど、部活動も盛んな同校。藤井先生も野球部の監督として、日々奮闘する生徒を見守る。
「心も体も鍛えられると同時に、困難に立ち向かう力、リーダーシップや決断力など、部活動を通して育まれるものは多いですね」

 

玉川ダム(秋田県)

「幼いころに親に連れて行ってもらった、思い出深い場所です。その高さやスケール感に、思わず息を呑みました」と藤井先生が語る玉川ダム。秋田県仙北市の一級河川・雄物川水系玉川の上流に建設された重力式コンクリートダムで、高さ100mクラスのダムとしては世界で初めてRCD工法を用いて造られたものだそうです。

 

 

秋田県立大曲工業高等学校

〒014-0045 秋田県大仙市大曲若葉町3番17号
WEB:http://www.daikou-h.akita-pref.ed.jp/

 

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