特集

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2019年2月号 No.505

工業高校が行う魅力創出の取り組みについて

3 魅力を創出した工業高校の具体事例

 事例  三重県立伊賀白鳳高等学校 ~建設系学科設置要望運動の経緯と特色ある教育課程~
設置要望運動の背景

一定数の建設業者が存在する地域ながら、土木・建築について学ぶ学校や学科がなかった伊賀エリア。後継者不足、若年従事者不足を危惧した建設業協会伊賀支部の他、建設産業関連16団体が、三重県知事、県議会議長、教育長、伊賀市長、名張市長に向けた「伊賀白鳳高等学校に建築・土木科設置の要望書」を作成・提出した。

設置内容の決定手順

中学生のニーズ調査と、2016年に伊賀地域の高等学校にハローワークを通して求人を行った企業へのアンケート調査を行った。また、ハローワークの調査データから、伊賀地域の建設関係の潜在的な求人数は15〜20人くらいと把握。40人が定員の学科を設置するよりは、20人定員のコースをつくることが適性と判断。

特色のある教育課程

建築・インテリアコースの特徴は、「2級建築施工管理技士」「2級土木施工管理技士」「2級建築士」「木造建築士」の受検に必要な実務経験年数が短縮されるようなカリキュラムが組まれている点だ。さらに、いわゆる「建築5科目」一辺倒にはせず、産業廃棄物や温暖化など環境について学ぶ「環境工学基礎」や、デザイン系知識も含む「建築計画」、土木的内容にも触れる「建築施工」を取り入れ、環境やインテリアなど幅広く学ぶ。

 事例  新潟県立塩沢商工高等学校 ~建設業協会とタッグを組み、実践的実習授業を実現~
設置要望運動の背景

入職者不足で頭を抱えていたところに、「平成23年7月新潟・福島豪雨」による甚大な被害。「土木の仕事の担い手を育てよう」と機運が高まった。南魚沼建設業協会をはじめ、南魚沼市の建設業安全協議会、市議会議員、隣接する湯沢町の建設会社の団体、町議会議員などに要請し、2013年2月に「建設系学科新設促進協議会」という任意団体を立ち上げた。

実習カリキュラム

地元企業と連携し、実践を意識した実習カリキュラムを作成。2年生は丁張の測量を兼ねた仮設道路の設置、3年生は、アスファルト舗装、擁壁、鉄筋組立などを学校敷地内で実施。防災教育、現場見学、さらに重機に試乗するなど実際に作業に携わる現場体験を行う。実習授業の講師は、協会所属の各社が持ち回りで行うが、どの企業から派遣された講師が行っても授業のクオリティに差が出ないよう、「実習マニュアル」を作成した。

生徒たちの反応

学校の敷地内に仮設道路をつくり擁壁も設置する作業をはじめ、重機を扱ったりしながらのものづくりを生徒は楽しんでいる。校内で行う実習の様子を見た生徒の中には、「自分も土木を選べばよかった」という者も。機械系の科目を選択していた生徒が建設業界に就職するケースもあり。


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問合せ 企画広報部
電話 03-5473-4584

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