特集

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2018年6月号 No.499

働き方改革〜時短の実現に向けて〜

働き方改革 寄稿
生産性向上できなければ働き方改革も出来ない


株式会社石岡組 専務取締役  石岡 秀貴

最近、官民で働き方改革の重要性が指摘されていますが今回は、当社の働き方改革についての考えと、取り組みの一部をご紹介したいと思います。
時間外労働を減らすために、大切だと考えるポイントは2点です。

1.社内文化   2.生産性向上

何故、この2点が働き方改革に繋がるかを、簡単に説明したいと思います。

1.社内文化(時間外労働に対する価値観)を変える

変える対象は、社内文化、若しくは価値観、風習、習慣とでも言うべきもので、具体的には休日出勤や残業することが、評価されるということです。
時間外労働をすることは、人が休んでいるときも仕事をする頑張る奴だ、仕事に対して責任感があるなど、経営者に良く思われていました。時間の長さで、頑張りが評価されると、現場はどうしてもその方向に行ってしまいます。
それを変える為、逆の価値観を社員に植え付けていきました。今、当社は、“仕事ができる奴は、時間内に全て完了できる”とういう価値観です。
実際に、残業しない人間の仕事を見ていると、隙間の時間の使い方が上手で、仕事の優先順位付けが的確で仕事も早い。そういう人間を大切にする為にも時間外労働を、極力しないで同じ成果を出せる人間が、有能であるといつも伝えそして実際に評価する(評価方法はここでは書きませんが)。
これだけで、会社の空気は大きく変わります。今では、現場の立ち上げの1~2週間や時々は残業する場合はありますが、常態化した残業はありません。
スキルに関する部分や評価方法なども大切ですが、その前の段階の会社全体の雰囲気や空気を作れることがポイントに思えます。

2.生産性向上しないと休日は取れない

現場で休日を確実に取っていく為のポイントは、進捗スピードの速さ、利益の確保とネットワーク工程管理技術の3つあると思います。

1 進捗スピードが遅いと、工期に追われ日程に余裕がなくなる為、休めなくなる。
2 利益の確保は、月の稼働日が減れば利益が減ること、日給の技能者の手取り減を防ぐためにも単価を上げる必要性がでます。
3 ネットワーク工程は、工期短縮のマネジメントツールであり、現場をより計画的に運営することが出来ます

工程の組み立てをシミュレートすることが出来ると、休みが全体工程に与える影響を最小限に出来ます。
これらをまとめると生産性が高いかどうかということに尽きます。生産性が低いと、現実的に休ませることは、かなり難しいと思います。
私の場合は、会社全体の生産性を上げる過程の副産物として計画的に休ませることに気が付きました。
生産性を上げること(ネットワーク工程管理を中心とした)については、以前“しんこう”で連載していましたので、詳しくはWebでバックナンバーをご覧ください
http://bn.shinko-web.jp/backnumber/の2015年6月号~2016年3月号)。

簡単ではありますが、当社の働き方改革について書きました。
しかし、当社も理想に対しては、まだまだ半分も達成していませんので、今後も弛まぬ改良をすすめていきたいと思います。

 

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