特集

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2023年3月号 No.546

建設キャリアアップシステム

建設キャリアアップシステムは、2023年4月で運用を開始して5年目を迎えます。業界及び行政が一体となり、魅力的な産業となることを目指す、他の産業に類を見ない画期的な取り組みです。
昨年秋に、技能者の登録が100万人を迎え、概ね3人に1人の方々に登録いただいているCCUSの現在の状況を皆様にお伝えします。

 

建設キャリアアップシステム事業本部長 長谷川周夫

本格的な人口減少社会の到来をはじめ、我が国建設業界は今、大きな時代変化のうねりの中にあります。建設業が、「インフラ」や「まち」、「すまい」をつくり、それらを守るという大切な役割を今後とも果たしていくためには、次代の担い手をしっかりと確保し、育てていくことが不可欠です。

加えて、本年10月からは、インボイス制度の導入、来年4月からは、建設業に対し5年間猶予されていた、罰則付き超勤上限規制が始まるなど、建設業をめぐる関連の諸制度も大きな変革期を迎えています。

こうした中、担い手確保・育成のため急務となっているのは、建設業で働く方々、とりわけ現場で直接工事に従事する技能者の方々の賃金引上げ等の処遇改善であり、その実現には、個々の企業だけでなく業界を挙げた官民一体の取り組みがぜひとも必要です。

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者の保有資格や社会保険加入状況等の基本情報等を登録するとともに、就業履歴を蓄積するシステムであり、これらのデータを適切に利活用することにより、技能者の処遇改善、さらに生産性向上につなげていく、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の一翼を担う、「業界共通の制度インフラ」です。また10年前に官民一体での取り組みが始まった、社会保険加入促進運動の延長線上にある取り組みであると言うこともできるでしょう。

運営主体である建設業振興基金といたしましては、CCUSの利便性向上に努め、今後とも関係の皆様とともに、普及促進に尽力してまいります。

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