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2020年2月号 No.515

産学官民の連携による震災の教訓の伝承

1 はじめに

一般財団法人3.11伝承ロード推進機構(以下、伝承機構と言う。)は、産学官民が連携し、東日本大震災の実情や教訓を伝承する組織として令和元年8月1日に発足しました。本稿では伝承機構の発足の意義と取り組みについて紹介します。

設立式典

2 伝承機構設立の経緯と意義

震災伝承の必要性は発災2か月後の「復興構想7原則」(東日本大震災復興構想会議)でも指摘されていましたが、被災地全体としての取り組みについては平成30年7月に設立された「震災伝承ネットワーク協議会」(東北地方整備局、東北地方の被災4県および仙台市により構成)が打ち出した「3.11伝承ロード」構想でようやく動き出しました。震災遺構や伝承施設をネットワーク化する構想で、この具体化に向けて同協議会が設けた「震災伝承検討会」では、産学官民が連携した推進体制を早急に構築すべきとの提言が翌年3月にとりまとめられました。

これらの動きに呼応するように、4月には4学術団体(学都仙台コンソーシアム、東北大学災害科学国際研究所、自然災害研究協議会東北地区部会、日本自然災害学会)から震災伝承に関する緊急提言が発表されました。

緊急提言を東北地方整備局に報告する今村文彦東北大学災害科学国際研究所所長(左)と平川新学都仙台コンソーシアム会長(中)

学の立場から「3.11伝承ロード」を進める体制に積極的に参画することを宣言するものでした。続いて5月には、東北経済連合会の海輪会長が「第3回わきたつ東北戦略会議」の冒頭の挨拶の中で、産学官民の連携体制構築へ参画する意思を表明し、体制づくりが動き出しました。そして8月1日、民間主導による産学官民が連携した「一般財団法人3.11伝承ロード推進機構」が設立されました。

(一財)3.11伝承ロード推進機構 役員

設立式典は仙台市内で約120名が出席し盛大に執り行われました。

設立式典 次第

村井宮城県知事の来賓あいさつをはじめ、石井国土交通大臣(当時)からのメッセージも届き、防災意識社会への「先進事例」との評価も頂きました。祝賀会には国土交通本省から五道水管理・国土保全局長にも駆けつけていただき、観光庁の冨樫観光地域振興課長の参加も含め、国の政策の一翼を担う重要な任務と身の引き締まる式典となりました。

全国で災害が頻発する中、災害に強い社会を築くには、これまでの経験から得た教訓を社会全体で共有し、様々な災害に備える「防災意識社会」への転換を図る必要があります。東日本大震災の教訓を後世に伝承する「3.11伝承ロード」の取り組みは、その先進事例として高く評価されるものと考えます。

石井国土交通大臣(当時)メッセージ(抄)

3 伝承機構の活動

被災地には「震災伝承ネットワーク協議会」により登録された震災伝承施設が約200施設あります。これらの施設を、国内外の多くの方に巡り学ぶ機会として活用していただくために、伝承機構の活動を展開していきたいと考えています。当面の活動として、1.情報発信・広報、2.防災伝承ツアー、3.啓発活動を中心に進める予定です。

1. 情報発信・広報

既に機構のHPを開設し、その中で震災伝承施設の紹介と案内を行っています。また、「3.11伝承ロード」マップを作成し、各種施設に配布しています 。今後はインバウンド向けの多言語化を行う予定です。

3.11伝承ロードマップの表紙

2. 防災・伝承ツアー

伝承機構が企画した第1号である「3.11伝承ロード研修会」は、建設業関係者を対象とした1泊2日のコースで、11月21日と28日の2回開催しました。バスで主な伝承施設をご案内し、語り部なども全て手配し、津波に襲われながらも営業再開を果たした名物女将の「宝来館」に宿泊していただくというお得な限定お試し研修企画で、特に建設関係の方々に見ていただきたい場所を網羅した特別コースとして企画したものです。

東日本大震災津波伝承館で熱心に話を聞く参加者

関東や北陸方面からの参加者も多く、合計70名の参加でツアーは満席になりました。語り部や案内員の声に熱心に耳を傾け、メモをとる参加者もいました。アンケートでは「来て良かった」「過去を見つめることが未来につながる」「コースや語り部の全てに感動した」といった声が寄せられ、今後に自信の持てるものとなりました。来年度は、旅行会社とのタイアップ、既に関係団体から申し込みがある新採職員向け研修会、行政職員向けの研修会を行いたいと考えています。

3. 啓発活動

防災・減災に関する啓発活動を様々なイベントに合わせ実施しています。これまでに、世界防災フォーラムの前日祭(11月9日)、東北地域づくり講演会(12月11日)において実施済みです。今後も、世界地震工学会議(令和2年9月)等の機会を活用して取り組む予定です。また、防災セミナーなどの開催も考えています。その他、震災の記録・記憶の見える化の一環として、震災時に活動した建設関係団体の記録、震災時に効果を発揮したインフラ、復旧・復興で整備されたインフラ等について、一般の方にも理解できるようにアーカイブ化を行いたいと考えています。

4 おわりに

防災力の向上は、住民・行政・企業のそれぞれが「学び」「備える」ことが重要です。その貴重な教訓が揃っている東日本大震災の被災地が効率的・効果的に活用されるよう、わかりやすい案内やツアーの企画等を通じて、全国各地の防災力向上に貢献したいと考えています。今後ご案内を予定している防災・伝承ツアーへの各位の積極的なご参加と各方面へのご案内を心よりお願い申し上げます。

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