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2021年6月 No.529

低予算でも工夫して先端技術を学ぶ「GNSS測量」

神戸市立の神戸工業高等学校と御影工業高等学校が統合し、平成16年に生まれた神戸市立科学技術高等学校。地域に根差した工業高校として人気の同校では、地元企業や大学と連携したものづくり教育が盛んに行われています。今回は、「GNSS測量」技術を地元企業へ還元すべく、課題研究に取り組んでいる都市工学科の藤田真悟先生にお話を伺いました。

3年通しで担当するからこそ数年先を見据えた教育が可能に

3年間できるだけ担任が変わらず、そのまま持ち上がるよう体制を取っている同校。だからこそ、「しっかり腰を据えて教材研究をしたり教員同士で時間をかけて議論したり、数年先を見据えた教育を提供できることが魅力」だと藤田先生はいう。

都市工学科が数年先を見据えて取り組んでいることのひとつに、平成30年からスタートした防災士の養成が挙げられる。防災士とは、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ創設された、民間人の防災リーダーを養成するための制度だ。

「自然災害も含めて、これから先どのようなことが起こるか分かりません。“その時”が来るまでの間に、可能な限りしっかりと防災士について学んだ生徒を兵庫や大阪はもちろん、全国に送り出したい。そして、有事の際には率先して地域を助けることができる人材を育てたいという思いからはじまりました」

元々カリキュラムとして設定されていた「都市防災」を改編し、日本防災士機構が設定する防災士養成カリキュラムの学習内容に適合させて、日本の高校では初となる防災士研修教育機関として認定されている。

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