FOCUS

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2020年3月号 No.516

建設業への動機づけは、2年時の体験が肝になる!建設業協会との連携で生まれる充実の工業教育

2年生時の興味喚起を就職活動の足掛かりに

■ ■ キャリア教育で力を入れている取り組みはありますか?

今まで希望者だけだった「2級土木施工管理技術検定」の学科試験に、2年前から2年生全員で挑戦しています。10月末に実施される試験に向けて、夏から月に1回ほどのペースで、過去問を参考に模擬試験を実施。その都度できていないところを確認し、復習、また模擬試験の積み重ねで、レベルアップを図っています。資格取得をきっかけに、土木への道に進む生徒が増えるかもしれませんし、どんな進路に行くにしろ、土木科で一生懸命頑張ったということはアピールできるはずです。

また、この挑戦によって、何事にも懸命に取り組む姿勢を身につけてほしいと思っています。全員で取り組むことで「みんなも頑張っているんだ」と、気持ちを奮い立たせることもできるでしょう。続けるなかで、生徒たちの自主性も磨かれていき、例えば休み時間に問題を出し合う様子が見られたらうれしいですね。

■ 先生が思う、工業高校教育において大切なことは?

「2年生の時にどれだけ“建設業”に興味を持たせることができるか」は非常に重要だと感じています。就職まではまだ先だ、と思うかもしれませんが、実際に進路が決まるのは3年生の夏。3年生になってから興味喚起を行っていては遅いのではないでしょうか。本校で行っている測量コンテストへの出場、意見交換会、資格試験への挑戦なども、すべて2年生で行っている取り組みです。つまり、生徒が進路を考え始める前までに、どれだけ建設業・土木に対する関心を深め、将来の選択肢として選んでもらえるような“きっかけ”をつくってあげられるかが、私たちの役割です。

生徒の人生は、卒業がゴールではなく就職してからがスタート。生徒が社会人になった時のことは、常に意識して教育にあたっています。教えたことすべてをしっかり覚えていなくても、社会に出て「あの時、そんなことを言ってたな。あんなことをやったな」と思い出すことがきっとあるでしょう。そんな気づきの種を、生徒たちに残していけたらいいなと思います。

 

グループワークは生徒の自主性を大切に、先生はアドバイスに徹する

県や市の建設業協会協力の元、毎年1回は建設現場見学を実施。現場での貴重な話の数々に、真剣に耳を傾ける生徒たち

 

 

金沢市立工業高等学校

〒920-0344 石川県金沢市畝田東1丁目1番地1
WEB:http://www.shiko-th.ed.jp/

 

◎本誌記事の無断転載を固く禁じます。

 

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