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FOCUS

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2019年2月号 No.505

国土交通省・基本問題小委員会 中間とりまとめから半年~対応の方向性を整理・公表~

国土交通省は今年の通常国会への法案提出を目指し、建設業法の改正に向けた準備を進めている。中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)の下に設置している合同の基本問題小委員会は、建設業法、公共工事入札契約適正化法(入契法)の改正を視野に審議した結果を、2018年6月に中間とりまとめとして公表した。(当面講ずべき措置として、長時間労働の是正 処遇改善 生産性向上 地域建設業の持続性確保―の4本柱で整理)
その後、1月16日に開かれた小委員会で、国交省は提言の具体化に向けたこれまでの検討状況と、その過程で明らかになった課題や新たな政策課題などに対応するための新規の検討事項を次のとおり報告した。

受・発注者による適正な工期設定を推進

長時間労働の是正については、受・発注者双方による適正な工期設定と、施工時期の平準化の二つの方策を提示。適切な工期設定では、中建審において「工期に関する基準」を作成し、その実施を勧告できる規定を設ける考えだ。
受注者に対しては、工期ダンピングを禁止する措置を講じる。具体的には、受注者は請負契約を締結する際、工事の準備期間、工事着手の時期、工事完成の時期など、工程の細目を明らかにして建設工事の「工期」を見積もり、請負代金だけでなく工期を含む見積書を交付。施工の日程や時間帯を定める時は、その内容を契約書面に明記することも求める。
一方、注文者(発注者)に対しては、不当に短い工期での請負契約の締結を禁止する。違反した場合の勧告制度も創設。正当な理由がなく勧告に従わない時は公表し、必要に応じて報告や資料の提出を求める。ただ個人住宅などを想定し、一定金額に満たない請負契約の注文者は公表対象としない考えだ。
施工時期の平準化については、公共工事の入札契約で公共発注者が取り組むべき事項として、入契法に位置付ける方向で検討を進める。

技術者配置要件を合理化、技術検定試験も再編

生産性向上の観点から、限られた人材の効率的な活用を促す規定を設ける。具体策として、下位専門工事企業の主任技術者配置を不要とする「専門工事共同施工制度」(仮称)を創設。現地に配置する上位専門工事企業の主任技術者には、一定の指導監督的な実務経験を求める。制度対象の工事規模には一定の上限を設けることも想定。制度を用いる際は、元請負人が注文者の承諾と下請の同意を得るようにする。 図1 

 図1(※1)

元請建設企業の技術者配置要件の合理化策としては、一定の実務経験と知識を有する若手技術者を「監理技術者補佐」(仮称)として専任配置する場合、一定の条件の下で監理技術者に兼務を認める仕組みを創設する。これに伴い、監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得する技術検定試験を見直す。
学科と実地を加味した1次試験(基礎)と2次試験(応用)に再編し、1次試験の合格者に「技士補(仮称)」の資格を付与する。監理技術者補佐(仮称)の要件として、1級の1次試験に合格した1級施工管理技士補(仮称)を想定している。 図2

 図2(※2) 

建設工事への工場製品の一層の活用に向けた環境整備も進める。プレキャストなどの工場製品に起因して建設生産物に不具合が生じた場合には、製造者に対し、原因究明や再発防止などを求める勧告の仕組みを構築する。勧告に従わないと、そのことを公表。正当な理由がなく勧告に対する措置をせず、建設工事の適正な施工確保が阻害されている時は措置命令を実施することも規定する考えだ。
※1・2:国土交通省中建審・社整審基本問題小委員会中間とりまとめの資料を基に作成

社会保険加入を建設業許可・更新の要件に

処遇改善策の一つとして、社会保険加入対策の一層の強化を図る。下請の建設企業も含め社会保険加入を徹底するため、社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築する。また下請代金のうち、労務費相当分(社会保険料の本人負担分を含む)については、手形ではなく現金払いが徹底されるよう規範を強化する。
提言では、注文者が一定の技能レベルを指定できる制度の創設が明記されている。だが国交省は当面、「建設キャリアアップシステム」の本運用後に能力評価制度の普及状況などを踏まえ、引き続き検討するとしている。
地域建設業の持続性の確保につなげるため、建設業許可制度で経営の安定性を評価する経営業務管理責任者要件を緩和。個人として建設業で5年以上の経営経験を廃止する一方、法人として経営業務の管理を適正に行う能力を有する一定の基準に適していることを求める。
円滑な事業継承のため、建設業許可の事前審査手続きの仕組みを整備する。あらかじめ許可行政庁の許可などを受けることにより、事業継承の効力の発生日に自動的に権利義務を継承するような制度を検討する。

災害時の団体責務など新規に4項目検討

国交省は新たな検討事項として、災害時における建設業者団体の責務 個人事業主の事業承継時の許認可手続きの簡素化 下請建設業者の建設現場における建設業許可証掲示義務の緩和 下請建設業者による通報に対する保護規定の追加―の4項目を挙げた。
大きな被害が生じる災害が頻発する中、発災後迅速に対応する体制を構築するため、建設業者団体の責務を規定する。包括的な協定書の締結や災害時の連絡体制の確保など、災害時の公共機関との連携を努力義務とする方向性を示した。
下請業者は元請業者の下請支払い遅延などについて、許可行政庁などに通報することができる。だが元請業者からの報復(今後の取引停止など)を恐れ、通報しなくなる可能性が指摘されている。そこで国交省は元請業者が義務違反した場合、下請業者が許可行政庁などに知らせたことを理由に、請負金額の減額など不利益な取り扱いをしてはならないとの規定を検討する。
国交省は検討内容や方向性について、基本問題小委員会の委員から概ね賛同を得た。今後は委員の意見も参考にしながら、引き続き制度化に向け検討を深めていく。

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