FOCUS
“この学校に入学してよかった”と思ってもらいたい。培われた現場経験と挑戦を続ける背中が、生徒の成長を導く!
コンクリートカヌーを通じた成長の軌跡
土木・建築科を象徴する活動の一つが、山﨑先生が長年指導を務める『土木系学生によるコンクリートカヌー大会』への参加だ。
「私自身が大学2年時に大会に参加したことが原点です。土木の技術をアピールできる貴重な機会だと感じ、教員になったら絶対に取り組みたいと考えていました」。
指導において最も重視しているのは、カヌーを製作する技術以上に、生徒たちの自主性だ。
「なによりもまず“自分たちで考え、自分たちで動く”という主体性・積極性を大切にしてほしいと思っています。コンクリートカヌーに関することだけでなく、今取り組んでいる授業が社会にどう結びついていくのか、そして自分たちがどう動いていけばよいのかを考えられるようになってくれたら、それに勝る喜びはありません」。
その指導は、生徒たちの確かな成長につながっている。
「少しずつでも“自分で動こう”とする姿勢が見えると、成長を感じて嬉しい気持ちになります。以前、とても引っ込み思案だった女子生徒がいたのですが、コンクリートカヌーの取り組みを通じて成長し、体験入学の際に多くの中学生を前にしてプレゼンテーションをするなど、人前でも堂々と話せるようになりました。そうした場面を任せるうちにさらに自信をつけ、土木だけでなく建築や情報の資格も自ら勉強して取得するなど、見違えるほど積極的になった姿が頼もしく感じましたね」。
生徒の可能性を広げるための関わり方
教員として28年目を迎え、現在は臨時講師という立場で生徒と関わる山﨑先生。
「授業中も一方的に話すのではなく、黒板で問題を解かせたり、みんなの前で話させる機会を積極的に設けています。私たち教員の関わり方次第で、いくらでも生徒の可能性を広げていけると感じています」。
生徒の可能性を広げる取り組みは、校内だけにとどまらない。
「生徒には、“この学校に入学してよかった”と思ってもらいたい。そのためにも、できるだけ多くの人に出会い、多くの経験をしてほしいと思っています。これまでも、土木・建築科に関わる出前授業や企業説明会、現場見学などを積極的に企画してきました。外部の方を招いて話をしていただいたり、本物の現場を見せたりすることは、成長に欠かすことのできない重要な機会です」。
そうした教育への情熱は、山﨑先生自身の“学び続ける姿勢”にも裏打ちされている。39歳で教員に転身した後も、働きながら51歳で大学院の修士課程を修了した。
「大学院に通っていた頃は、朝4時から家の畑仕事をして、それから大学に行くという生活でした。大変ではありましたが、周りの先生の助けもあって修了できました。現在もコンクリート診断士等の資格取得に取り組むなど、私自身が挑戦する姿を見せることで、生徒たちの刺激になればと思っています」。
自分自身の成長を大切にしてほしい
「就職活動の場面では“社会貢献”という言葉をよく用いますが、生徒たちには社会貢献の前に、まずは自分自身の成長のために時間やお金を使ってほしいです。その成長こそが、ゆくゆくはより大きな社会貢献にもつながるもの。そのために今なにをするべきか、常に考え、決断してくれたらと思います」。
さらに、建設業界に対しても率直な思いを抱いている。
「地元企業の皆様も本校の生徒を熱望されますが、熱心に足を運んでくださるのは県外企業が多いのが実情。本当に生徒たちを採用したいなら、ぜひ学校に来て、会社のPRや皆様の経験を活かした授業などを行ってほしいです。そうした形で自社と他社の違いや選ばれるポイントを語ってくれることが、生徒の心には一番響きます」。
生徒へ向けたメッセージを伺うと、『一会一生』という言葉が返ってきた。
「人との出会いによって、今の自分があります。学生時代、そして民間の現場でお世話になった方々など、良い出会いがあったからこそ前向きに仕事と向き合うことができました。生徒たちにも、多くの人と出会い、経験を積んでほしいです。そうした出会いこそが人生を豊かに導く力になると信じています!」。

創立60周年記念として、老朽化した野球場のスコアボードに替わる新たなボードを生徒と共に製作。「基礎コンクリートや組み立ては自分たちで行い、地域の業者の方から重機を借りたり、卒業生に協力を仰いだりと、多くのサポートを得て完成しました。周囲の協力を得ながらものづくりに取り組み、一つの形にしていく経験は、生徒にとって非常に大きな財産となるものです」。

生徒と共に再建した校内の自転車置場も、思い出深い場所の一つ。「当時の校長や教頭、事務長なども作業を見に来て、生コンをコテで均してくれたり、屋根に登って固定作業を手伝ってくれたりしました(笑)。大人が一緒に楽しんでくれる姿は、生徒にとっても私にとっても嬉しいもの。自分たちの手で作り上げたものが実際に使われる喜びが、ものづくりの原動力になります」。
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抱返り渓谷
仙北市の名所『抱返り渓谷』の入り口に架かる、秋田県で最も古い吊り橋とされる全長約80mの『神の岩橋』。かつて木材などを搬出するために造られた森林軌道の一部であり、橋からは渓谷全体を望むことができます。「両岸の原生林や独特のエメラルドグリーンの渓流がとても美しく、新緑や紅葉の季節はまさに絶景。吊り橋特有の揺れを感じながら、美しい自然と滝に心休まる、おすすめの癒しスポットです」と山﨑先生。 |


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