FOCUS

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2026年9月号 No 581

「自分でやり遂げた」という達成感が未来を拓く! 生徒に寄り添い成長を後押しする、伴走型の建築指導。

青森県立弘前工業高等学校建築科 吉川孝平先生

青森県内に6校ある公立工業高校の中で、最も古い歴史を持つ青森県立弘前工業高等学校。同校の建築科は、県内でもトップクラスの志願倍率を維持する人気学科であり、地域社会の未来を担う技術者の育成に力を注いでいます。今回は、生徒の自主性を重んじる指導で『建築甲子園』県大会初優勝などの成果を導き、地域と連携したものづくりにも情熱を傾ける、建築科の吉川孝平先生にお話を伺いました。

教員のサポートは最小限
達成感が成長の糧!

「本校の特長は、教員の声に素直に耳を傾け、真摯に取り組むことができる粘り強い生徒が多いこと。建築科の生徒のほとんどは“建築士になって設計の仕事がしたい”という夢を抱いて入学してきます。3年間を通じて建築について多面的に学びを深め、卒業後は現場監督や現場管理の仕事に就いたり、さらに学びを深めるために進学したりと、ほぼ全員が建築の道へと進んでいきます」。

そうした生徒たちにとっての集大成であり、大きな成長の機会となるのが、課題研究として取り組む建築設計競技だ。昨年度は日本建築士会連合会などが主催する『高校生の建築甲子園』の県大会で同校初となる優勝を果たし、全国大会の最終審査にも進出した。その背景には、生徒の自主性を最大限に引き出す吉川先生の指導法がある。

「昨年の建築甲子園には3人の女子生徒が挑みました。その中で優勝したのは、“こういうアイデアでやりたいです”と自ら積極的に報告してくる、非常に熱心で自分の意志を強く持った生徒でした。私は“いいね、やってみよう”と背中を押す程度で、作品はほぼ生徒自身が仕上げた形です。教員があまりに口を出してしまうと、それはもう生徒の作品ではなくなってしまいます。いかに生徒に“自分でやり遂げた”という達成感を持たせるかが、成長においては一番大切なことだと思っています」。

今年度も建築甲子園に向けて、生徒たちが試行錯誤を繰り返しながら取り組む様子がうかがえる。吉川先生は、すぐに図面を描き始めるのではなく、まずは地域を深く知るプロセスを重視するよう投げかける。

「建築甲子園の大きなテーマとして掲げられているのは“地域のくらし”です。地元・弘前の建物を設計するのに、東京にあってもおかしくないようなデザインでは意味がありません。“ここにあるからこそ活きるデザイン”はどんなものなのかを考えるために、地域の歴史や街並みを徹底的に調べる作業を何よりも大切にしています」。

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