特集

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2019年6月号 No.509

建設キャリアアップシステム本運用開始!

現場での就業履歴の蓄積

現場の入退場口などに設置された、建設キャリアアップシステム専用のカードリーダーに技能者が自身のICカード(建設キャリアアップカード)をタッチすることで、就業履歴を蓄積することができます

読み取りに成功すると右側画面の状態になります。

元請事業者(現場担当者)は、就業履歴登録アプリ「建レコ」をインストールした機器(Windows PC、iPad又はiPhone)、カードリーダーの準備が必要となります。建設キャリアアップシステムが無償で提供する「建レコ」は、本財団HPよりダウンロードが可能です。

本財団HP https://www.auth.ccus.jp/KenReco/APP

なお、現場の状況によりインターネット接続環境や機器を設置できない場合は、技能者または技能者が所属する事業者による就業履歴のシステムへの直接入力を可能としています。その場合は、元請事業者による就業履歴の承認が必要となります。

また、既存の労務安全管理や入退場管理システムについては、建設キャリアアップシステムとの連携(API連携に係る本財団の認定を受けること)ができれば、当該既存の管理システムを使って就業履歴情報を建設キャリアアップシステム上に蓄積できます。

引き続き、API連携システムの認定作業、「建レコ」に対応するICカードリーダーの検証作業を進め、随時、情報を公開して参ります。

情報の活用と経験の見える化

建設キャリアアップシステムに登録・蓄積された情報は、パソコンやスマホを使って技能者、事業者それぞれの立場で閲覧利用が可能です

技能者本人は、それまでに蓄積された情報をいつでも閲覧でき、自らの経歴等の確認、証明に活用できます。事業者は、自社に所属する技能者の情報を技能者本人と同様に閲覧が可能で、人材育成と自社の施工力向上に役立ちます。

技能者が入場中の現場にあっては工事期間中の情報に限り元請・上位事業者も閲覧が可能となり、現場の管理に活用できます。

他の事業者に対しては、技能者と所属事業者が認めた情報に限って閲覧を可能としており、自社の施工力をアピールする目的などで活用できます。

このように、元請・下請事業それぞれの立場で、現場ごとの就業実績を把握できることから、現在、(独)勤労者退職金共済機構(建退共)において、建設キャリアアップシステムに蓄積された就業履歴データを活用し、下請事業者が元請に対する請求書類や就労実績報告書を作成するアプリケーション・ツールの開発が進んでいます。また、証紙に替えて電子的に就業実績を把握する方式の検討も始まっています。

そのほか、建設キャリアアップシステムに登録された社会保険加入情報を活用し、元請企業による社会保険の加入確認や加入指導で、事務の合理化・効率化が期待できます。さらに、本年4月に改正労働基準法と改正労働安全衛生法が施行されており、雇用事業主が規制に対応するために本システムの情報を活用していくことも有用です。

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