働き方改革への最終チェック

働き方改革への最終チェック
2023年6月号 No.549

労働時間削減①

5年遅れとされていた建設業における時間外労働の上限規制の施行まであとわずかです。働き方改革は単に労働時間を削減することが目的ではなく、生産年齢人口が減少し、働き手が不足する中、限られた時間の中で成果を上げるといった生産性の向上が本当の目的なのです。とはいえ、社内の労働環境を一気に変えることはできません。1つ1つの取り組みを重ね、上限規制への対応を準備していきましょう!!

時間外労働の原因を探る

「残業を減らしましょう」という声かけでは残業は減りません。よく、ノー残業デイを導入する会社をみますが、これも根本的な解決にはならないのです。今まで職場に遅くいることが当たり前の会社であれば、「早く帰らなくてはいけない」という意識づけの点では成功ですが、仕事の中身ややり方が変わっていないのであれば、早く帰ってしまった日の仕事を翌日に持ち越すのかそれとも自宅作業をしてしまうということになりかねません。まずは時間外労働の原因を探るところからはじめましょう。そしてその残業の原因を1つ1つ検討していく必要があります。そして、残業の原因を探っていくと、多くは3つの区分に分けられます。
 ① 仕組みの問題・・・・・会議が多い、顧客管理の方法が部門ごとに違う、資料の保管方法がバラバラ等
 ② 能力の問題・・・・・・PCスキルが低い、業務の知識不足のため作業に時間がかかる等
 ③ 会社の風土の問題・・・上司が帰らないから帰れない、残業が生活給になっている等
まずは、どのような残業が多いのかを洗い出しをし、1つ1つ見直しを検討していく必要があります。

仕組みの問題の解決方法

仕組みの問題を解決するには、そもそもその業務自体が必要なのか?というところから考えます。いわゆる業務の仕分けです。伝統のある会社ほど、新しい仕組みを取り入れたにも関わらず、従前のやり方も継続しているといった業務のダブりがみられます。まずはやるべきこととやらなくてもいいことを仕分けし、やるべきことを効率化していく方法を考えていきましょう。現場の写真や資料の保存方法が個別管理になってしまっているのであれば、クラウド上での資料の保管ルールを決定したり、仕事のやり方が属人化しているために、人によって時間のかかり方が違うのであれば、業務の標準化やマニュアル化も必要です。

能力の問題の解決方法

残業の多い原因の1つには、本人のスキルや仕事のやり方の問題があります。性格的に、じっくりと時間をかけてやりたい人もいるかもしれませんが、業務である以上、本人の満足だけで仕事をすすめるわけにはいきません。そういうタイプの人がいるのであれば、マニュアルの活用も有効です。また、個々のスキルアップのためには、何の能力が必要かを洗い出しをし、足りない部分の教育をしていきましょう。

会社の風土の問題の解決方法

どうしても今まで時間管理について意識の低い会社というのは、遅くまでいることが当たり前になっているケースをよくみます。そして会社も長時間会社にいることを会社への貢献と考えがちです。長時間労働=美徳という考え方を変えていく必要があります。しかしながら風土を変えていくのは1番時間がかかります。まずは、仕組みを1つ1つ変えていくことで変化をもたらしましょう。習慣はやがて風土となっていきます。

 

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