連載

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2020年4月号 No.517

働き方改革 時間管理の方法

 

Photo・Text :
アスミル社会保険労務士事務所代表
特定社会保険労務士 櫻井 好美

民間企業に7年勤務後、2002年櫻井社会保険労務士事務所(現・アスミル社会保険労務士事務所)を設立。
【主なコンサルティング・セミナー内容】
就業規則・労働環境整備、人事評価制度コンサルティング、賃金制度コンサルティング、退職金コンサルティング、働き方改革セミナー、管理職向け労務管理セミナー、建設業むけ社会保険セミナー、介護セミナー、WLBセミナー、女性の働き方セミナー、学生むけ働く前に知っておいてほしいこと 等

いつからスタート?

働き方改革関連法案は、2019年4月より随時施行されています。その中に「労働時間の状況の把握の実行性確保」という項目があり、すでに2019年4月よりスタートをしています。

 

時間の記録をすること!!

「労働時間の状況の把握の実効性確保」とは、時間の記録をすることをいいます。この時間の記録とは、実際に何時から何時まで働いたか?ということを労働者ごとに日々記録をすることをいいます。建設業の場合、雨、台風等の自然相手の業務であるため、時間管理がなかなかなじまない業界ではありますが、労働者である以上は、すべての方が労働法の対象となり、時間の記録をしなくてはいけません。建設業だからといった例外はありません。

使用者の責任は?

労働時間を適正に把握する責任は、使用者にあります。労働時間が使用者の指揮命令下である以上、管理も使用者の義務です。始業時間は8時にも関わらず、7時30分から掃除や朝礼をやることが義務なのであれば、就業規則の始業時間が8時であろうとも、7時30分からが労働時間としてもカウントのスタートになります。また、「ダラダラといつまでも会社に残って、仕事をしていないのに帰り際にタイムカードを押してかえっていくから、労働時間とはみなさない」という経営者のお話をよく聞きます。ただ、従業員の方からみれば、仕事をしていたのかもしれません。経営者の方も、それを黙認しているだけではなく、労働時間なのか?休憩時間なのか?きちんと従業員の方と基準を決めていくことが大切です。

他にも「残業は自己申告制としているから、申告した時間以外は認めない」という場合も、実際の在社時間とあまりにも差がある場合は、本当の労働時間はどの時間なのかを把握する必要があります。

URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html

労働時間とは?

労働時間とは使用者の指揮命令下にある時間のことをいいます。つまり、会社から指示をされ、業務に従事する時間のことです。

移動時間の取り扱い

建設業の場合、現場までの移動時間がかなりかかるケースが見受けられます。この移動時間は労働時間に該当するのでしょうか?すでに解説した通り、労働時間は使用者の指揮命令下の時間をいいます。建設現場に直行であれば、通勤時間と同様に考えられ、労働時間には該当しません。ただ、一般的には会社に立ち寄り、単独または複数で会社の車両に乗って移動することが多いかと思います。この場合、会社側が、誰が運転をするか、何時に待ち合わせをするのか等を決めたのではなく、労働者間で任意に決めたのであれば、この移動時間は通勤としての性質が強く労働時間にはあたらないと判断された判例があります。

反対に、会社側が集合時間を指示し、その日の段取りをして、積み込み作業をしてからの移動ということであれば、この移動時間は労働時間となります。要は、会社の車両を使うかどうかではなく、その現場までの移動が、会社が義務付けたかどうかで、労働時間かどうかが決まります。

 

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