連載

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2019年7・8月号 No.510

働いて楽しい職場環境をつくる コミュニケーション

働いて楽しい建設産業の職場環境を作るには、男女はもとより、高齢者から若者まで全社員の楽しいコミュニケーションが役立ちます。また、人は集団の中で認められたい気持ちがあります。その充足は働く喜びを見つける入り口となります。

原案作成 手島 伸夫【監修】

一部上場建設会社に34年勤務して、社長室次長、ISO品質保証システム部長を歴任。中小企業診断士、社会保険労務士、1級土木施工管理技士

スクリプト 廣津 栄三郎【監修】

一部上場建設会社で技術営業部長や関連会社の社長を歴任後、複数の海外企業にてコンサルティングを行う。技術士、測量士、工学博士

本シリーズは中小建設産業の働き方改革を成功に導くための「職場改善と労働条件の改善」、「若い人材の確保と定着」、「生産性の向上」の具体的施策を全5回で紹介します。大都市の郊外にある老舗建設株式会社(従業員約50名)を舞台として、従業員がイキイキと楽しく働いて、若い人材の定着と生産性の向上を図る経営力強化の方向性を従業員の会話方式をベースに説明します。


実施計画検討会

方針の明確化

賢説課長
前回に予告したように、「働いて楽しい職場環境づくりのコミュニケーションの実践方法」について、今回は検討しましょう。
袋小路君
40代以上の先輩は、人数も多く比較的まとまっている感じがするのですが。
勤怠さん
若年層とのコミュニケーションが少ない気がしますから、気軽に話せる雰囲気作りから始めませんか?

問題の抽出

袋小路君
若手で集まった時に、上司や先輩と話す時に何が話しにくいか、聞いたことがあるんです。
超勤課長
工事部は、管理職が積極的に話しかけているから、話しにくいことはないだろう。「若い者に覇気がないだけ」だと思うよ。
袋小路君
でも、「先輩が怖い、聞きづらい、説教が多い、上下の言葉づかいに厳しい」など、話しにくいと感じる社員が多かったですよ。
勤怠さん
それでは取ってつけたように、急に話しかけてと言っても長続きしませんよね!
賢説課長
そうだね。若い社員が先輩や上司と話をする時に感じる壁を低くすることは、「組織目標の達成の中に、個人の働く喜びがある」という考え方の基礎になるね。
勤怠さん
若い社員が、先輩方に話しやすい雰囲気づくりができれば、やる気が出るかも・・・。
賢説課長
いいね!「マネジリアル・グリッド」に通じる話ですよね。

問題解決・実践方法

超勤課長
袋小路君は、この図で見ると「社交クラブ型」だね。業績への関心が少ないからね。
袋小路君
そ、そんな~!ひどいですよ!
超勤課長
石頭部長は「仕事志向型」だよね。賢説課長は「チーム・マネジメント型」かな?
賢説課長
いいや、私などは、まだ「妥協型」ですよ。でも、各管理職が「チーム・マネジメント型」を目指すことが大切ですね。
勤怠さん
それでは、コミュニケーションの改善では、朝の「おはよう+何かひとこと付け加える」という声掛け活動はどうですか?
賢説課長
いいね! 「自分の存在を人間として、しっ かり認めていてくれる」という気持ちは、働く喜びの基礎になるからね。
勤怠さん
そういう活動を実際に行って、状況を職場単位で確認し合って行きましょう。

検討会のポイント

賢説課長
それでは、会社で自由に意見を言いやすい社風を創る「コミュニケーション改善」をしましょう。その第一歩として、若い社員を含めた実践ワーキンググループを作って、勤怠さんと袋小路君に各部署の実践状態をまとめてもらいましょう。
袋小路君
今月デートできるかな・・・トホホ。

次回検討会の議題

賢説課長
今まで検討した施策を経営計画書に反映したいと社長から指示がありました。そこで、次回は「新しい経営計画」について検討しましょう。なお、社長も出席します。

 

 

 

 

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