FRONTIER
「任された現場で、結果を出す!」──補修・補強工事を担う現場代理人の視線。


北井 祐希さん
酒井工業株式会社
大阪府出身
橋梁などの補修・補強工事において、現場代理人として工事全体を統括する酒井工業株式会社の北井祐希さん。施工計画の作成、工程調整、協力会社との打ち合わせ、安全管理や品質管理、発注者対応まで、現場を円滑に進めるための判断と調整を担っている。既設構造物を対象とする工事では、図面や資料だけでは把握しきれない状況も多く、現地の状態を踏まえた柔軟な対応が求められる。
入社当初から、専門的な作業を任されながら現場に立った。「正直、最初は何もわかりませんでした。それでも現場を続けてこられたのは、周りの方が温かく教えてくれたから。それが一番大きかったと思います」。上司や先輩について現場に出て、作業をしながら覚える。現場の書類を見て、少しずつ理解を深めていく。その積み重ねが、施工管理としての基礎を形づくっていった。
現場代理人として施工管理業務全般を任される中でも、特に難しさを感じるのが現場での判断だ。「竣工図などの資料はありますが、現場の状況によっては変更を余儀なくされることも珍しくありません。その際に、自分自身でどこまで判断して進めるか、そのラインを見極めるのが一番難しいですね」。現場を止めず、かつ独断で進めず、そのときのベストな道を選ぶ──。その判断力が、現場代理人として常に試される。
現場において強く意識しているのは、「自分が模範になること」だ。「協力会社の方を指導する立場なので、自分自身がきちんとしていないと説得力がありません。何か問題があれば、まずは自分が率先して動くようにしています」。そうした姿勢が、現場全体の信頼関係を支えている。
近隣住民への配慮も、現場代理人の重要な役割のひとつだ。「工事を始める前に、工事内容を説明する資料を持って回ります。特に交通規制があるときは、事前にしっかりと伝えておくことが大事です」。地域の理解を得ることが、安全で円滑な工事につながると考えている。
品質管理や安全管理についても、考え方は一貫している。「計画どおりに作業が進んでいるかを確認し、現場を定期的に見て回る。それを繰り返すことが大切です」。特別なことをするのではなく、基本を積み重ねる姿勢こそが事故防止につながるという。
現場の雰囲気づくりのため、コミュニケーションも欠かさない。「休憩時間には職人さんとも積極的に話しますし、わからないことがあれば自分から聞くようにしています。日常的な会話の積み重ねが、現場を円滑に動かす下地になります」と笑顔を見せる。
今後については、「どんな現場に携わるかわからないからこそ、任された現場で結果を出すことが大事だと思っています」と語る。与えられた条件の中で、何を判断し、どう動くか。その積み重ねこそが、現場代理人としての信頼につながってきた。
「やる気次第で役割も広がっていく」と話す北井さん。「問題が起きたときには、社員みんなで対応する距離の近さも、当社の魅力です」。任された現場に誠実に向き合い、結果を出し続ける。その姿勢こそが、北井さんの仕事の軸となっている。

酒井工業株式会社
代表取締役
仲辻 浩一 氏
当社では若手人材の育成に向けてICT技術を活用し、ベテラン社員の知見と新しい技術を融合させる体制を整えることで、技能の標準化の加速と誰もが成長できる仕組みを作っています。また、若手や女性を早期から主体的な役割に登用するなど多様なキャリアパスも整備しています。このように、成長機会を確保しつつ多様な人材が力を発揮できる環境の実現を目指しながら、次世代が誇りを持ち、力強く活躍できる持続可能な建設業の創造に挑み続けます。
建設人材育成優良企業表彰『優秀賞(総合部門)』を受賞
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