FRONTIER
「大切なインフラを未来に繋ぐ!」暮らしに欠かせない管路を守る施工管理!
星野 翔馬さん
東亜グラウト工業株式会社
大分県出身
日本全国で進む、地下管路の老朽化。一般的に下水道管渠の耐用年数は50年とされ、30年を経過するとひび割れや漏水、沈下といった問題が起きやすくなる。特に都市部では老朽化が進んだ管路が増え、安全な水インフラを維持するための対策が急務となっている。こうした課題に対し、管路事業をはじめとしたインフラ整備を通じて地域社会を支えているのが、東亜グラウト工業株式会社だ。星野翔馬さんはその最前線で、下水管を中心とした管路メンテナンス工事の施工管理者として活躍している。
高専時代のインターンシップをきっかけに、同社に入社した星野さん。以前は“施工管理は現場での指揮がメイン”というイメージを持っていたが、実際に仕事を始めてみると「書類業務の多さに驚いた」と話す。「工事のスケジュールを作成し、職人さんと工程を調整するのはもちろん、自治体への提出資料や安全管理に関する書類作成など、デスクワークの比重も大きい仕事です」。現場と書類業務、両方をこなすのが施工管理の役割であり、下水道という社会インフラを守るために不可欠な業務でもある。
また、入社当初は現場でのコミュニケーションにも苦労したそう。「職人さんたちは年上の方がほとんどで、どのように指示を出せばよいのか悩んでいました。しかし現場経験を重ねるうち、指示の出し方以前に、普段の何気ない会話こそが大切だと気づきました。ときには地下十数メートルまで降りて作業をする現場など、施工条件の厳しい工事もありますが、そうした現場でこそ日頃のコミュニケーションが重要。休憩時間などには積極的に話しかけ、関係を築くことでスムーズに仕事が進められるようになりました。困難な場面を共に乗り切る中で職人さんたちとも仲良くなり、休日には一緒にゴルフに出かけるような仲になれました」と笑顔を見せる。「お仕事の手本とさせていただいている上司も『施工管理をやっていくためには、職人と一緒に仕事をして内容を覚える他ない』と仰っていました。皆さんの仕事を把握しておかなければ、的確な指示出しや品質管理、安全管理はできないもの。そのアドバイスは、今も胸に刻んでいます」。
現在は2級土木施工管理技士の資格を保有しているが、今後はさらなるステップアップを目指している。「今年は1級土木施工管理技士の取得に挑戦したいと思っています。すでに第一次検定(学科試験)は合格しており、今は第二次検定(実地試験)に向けて準備を進めている最中。1級を取得することでより大規模な現場の施工管理に臨むことができるので、資格を取得して可能性を広げていきたいです」。
「後世に残るものを手がけられることこそ建設業の魅力」と話す星野さん。「管路メンテナンス工事は、普段は人の目に触れないものですが、快適で安全な暮らしのために欠かせない仕事。昨今は老朽化による大きな事故も起こっており、それを防ぐための重要な仕事として注目されています。大切なインフラを未来に繋げていくことが、自分の中の大きなモチベーションになっています」。施工管理の道を歩みながら、インフラを守る星野さん。彼の挑戦は、これからも続いていく。
東亜グラウト工業株式会社
代表取締役社長
山口 乃理夫 氏
近年、建設業界ではAIやDXの活用が進み、省人化や業務の効率化が加速しています。さらに、技術革新により安全性も向上し、業界全体がより魅力的なフィールドへと発展しています。
当社では、「働き方改革委員会」を設置し、労使が一体となって職場環境や業務改善に取り組んでいます。柔軟な働き方やキャリア形成の支援を推進し、社員一人ひとりが自己実現を果たし、やりがいを持って働ける環境づくりに力を注いでいます。
この度の大臣表彰を励みに、誇りを持って働ける建設業を目指し、さらなる努力を続けてまいります。
建設人材育成優良企業表彰『国土交通大臣賞』を受賞
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