五十嵐（いからし） 遼太（りょうた）さん
正栄工業株式会社
山形県出身

周りの職人に的確に指示を出しながら、慣れた手つきで素早く鉄筋を組んでいく姿はまさしくプロ。施工図に沿って正確に鉄筋の配筋・組み立てを行う、正栄工業株式会社の五十嵐遼太さん。職長として現場を取り仕切る五十嵐さんのもと、職人の手でしっかりと組み立てられた鉄筋は、まるで芸術作品のように美しい。「工程や全体のスケジュールを踏まえ、各作業員の割り振りや鉄筋材料の拾い出しなどを行うことが私の仕事。現場の職人さんをはじめ、他業者の皆様ともコミュニケーションを取りながら無事に竣工を迎えられるよう進めています。ときには誰よりも早く現場に入り、状況を見て回りながら工程をイメージすることも。通勤中も現場の状態を頭の中で整理し、その日の人員配置や作業時の動きをシミュレーションすることが日課になっています」と話す。「現場が大規模になるほど把握すべき箇所も多く、鉄筋材料の拾い出しも一苦労。鉄筋の形状や太さなども異なるほか、現場によっては平坦な床だけでなく変則的な高低差のある箇所もあるため、さらに拾い出しが複雑になります。拾い出しにミスがあれば進捗にもダイレクトに関わってくるため、正確に導き出せるよう努めています」。

テキパキと動く姿からは想像できないが、意外にも入社前は建設業に全く縁が無かったそう。「一度故郷を離れて寮付きの会社で働きたいと思っていたところ、“体力に自信のある人におすすめ”と求人のあった正栄工業を選びました。その頃は正直言って、どんな仕事かもほとんど知らなくて…。入社1年目は何もわからず、先輩たちについていくのが精一杯でした。しかし2年、3年とキャリアを重ねていくごとに仕事が楽しくなり、“もっと高みを目指せる”という思いに変わっていきました」と、ゼロからスタートした自身の成長を振り返る。その後、高層マンションやホテル、テーマパーク施設など、様々な現場を経験。その中でも印象に残っているものとして、大規模な倉庫の建設現場を挙げた。「これまで経験してきた中でも特に大きな現場で、工期もタイトなうえ、朝早くから仕事を進める日々が続いたので大変でした。それでも現場が大きい分、完成した際には達成感も非常に大きかったです」。

今後は「さらに大規模な現場を任され、より多くの職人さんを動かしながらスムーズに工事を進めていけるようになりたい」と抱負を語る五十嵐さん。「さらに頑張り、さらに稼いで、今よりも大きな車に乗りたいです」と笑顔で付け加える。「自分たちが手がけたものが形として社会に刻まれ、長く残っていくことが、他の仕事では味わえない喜び。そしてどんな人でもやる気次第で確かな技術が身につき、どんな場所でも自分の身一つで稼いでいけることが、鉄筋工事業の魅力だと思います。入社する新人たちを見ていても、がむしゃらに頑張る人ほど大きく成長している印象。やる気をもって頑張る人たちと、ぜひ一緒に働いていきたいです」と、力強いメッセージを送ってくれた。

正栄工業株式会社
代表取締役
岩田 正吾 氏

この度は、弊社の担い手確保・育成の取り組みを評価して頂き、建設人材育成優良企業表彰「優秀賞」を賜りましたことを大変嬉しく思います。
担い手の確保や育成の課題はまだまだ山積みではありますが、関西鉄筋工業協同組合と共同で行っている高校や専門学校への出前講座、地域の中学校や高校での職業講話を継続していくことで、業界や地域に貢献し続ける企業でありたいと思います。
また、ワークライフバランスの充実を目指し、社員が安心して長く働き続ける環境作りに取り組んでまいります。

建設人材育成優良企業表彰『優秀賞』を受賞

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