FRONTIER
「時間が経つのを忘れるほど楽しい!」力強い技術と想いで建物を手がける型枠大工。
真武 聡さん
株式会社川口建設
福岡県出身
「毎朝のルーティンは、1日の仕事の流れをシミュレーションすること。その日の段取りや職人の動きを考え、必要な道具は前もって現場に用意しておいたりすることでタイムロスがなくなり、仕事全体がスムーズに運ぶようになります」。そう話すのは、株式会社川口建設で型枠工事の職長を務める真武聡さん。集合住宅や病院など、様々な大規模建設工事に携わってきた経験を活かし、第一線で活躍している型枠大工だ。
数ある現場の中で今でも印象深いのは、半円形の建物形状を特徴とする図書館の建設工事だ。「それまで経験したことのない特殊な形状の建物で、試行錯誤しながら進めた思い出があります。まだ職長ではなかった頃で、同期といっしょに現場監督に何度も質問したり、周りの皆さんから沢山教えていただいたり…大変だった分、非常に学びも多い現場でした」と当時を振り返る。職長となって以後に心がけているのは、そうした現場で得た学びを次の現場で実践することだ。「梁掛け作業や細かな仕事の手順など、同じような建物の現場であっても手がける人によってそれぞれのやり方があります。より効率的かつ正確にできるやり方があればそれを学び取り、次の現場などで積極的に取り入れるようにしています」。現場作業だけでなく、書類作成も重要な役割となる職長。「安全ミーティング報告書やクレーン作業計画書など、日常的に様々な書類の作成が必要ですが、最近はIoTの導入やデジタル化が進んだことでスマートフォンなどでも入力できるなど、以前に比べてずいぶんと楽になりました」と、業界の進化を実感するとともに、日々の仕事をスムーズに遂行している。
工業高校での職業体験をきっかけに、型枠大工の道へと進んだ真武さん。「入職して大変だったのは、専門用語や材料の名称などを習得すること。覚えることが多すぎて、寝言でも言っていたほどです(笑)。また、日常的に図面や数字と向き合うため、慣れるまでは苦労しました。くじけそうになったことは何度もありましたが、その度に上司や先輩、同僚の支えが大きな力になりました。川口建設の一番の魅力は、みんなの人柄の良さだと思っています」と笑顔を見せる。
今では「時間が経つのを忘れるほど楽しい」と言うほど、型枠大工という仕事の魅力を噛みしめている。「何よりも、自分が手がけてきたものが形になった瞬間が一番の喜び。組み上げた型枠を見るたびに、大きなやりがいを感じています。また、建設業の現場というと職人がずっと動き続けているイメージが強いかと思いますが、疲れは安全面にも直結するため、休みはしっかりと取るよう心がけています。しっかりと働き、しっかりと休めるということも、建設業の魅力の一つではないでしょうか」。職長として若手を率い、その指導にもあたる立場となった。「後輩たちがいろいろなことを覚え、技術を上げていくなど、日々成長していく様子を見るのも楽しみです。私も彼らに負けないよう、これからも経験したことのないような建物や工法にチャレンジしていきたいです」と語り、未来へのさらなる意欲を見せてくれた。
株式会社川口建設
常務取締役管理部長 城後 裕之 氏
弊社の建設人材育成の取組みをご評価いただき、優秀賞を賜りましたことに心より御礼申し上げます。
大学との産学連携協力による遠隔教材の制作は、建築の構造と材料、技術に焦点を当てて、建築物が設計から竣工までどのようなプロセスを経て、実際に建設されていくのか、普段はなかなか知ることの少ない全貌を紹介することができると考えています。
授業で使用することにより建築に一層の興味を持ってもらい、次代の建設業を担う人材の育成に協力していきたいと考えています。
建設人材育成優良企業表彰『優秀賞』を受賞
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